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「林喜市郎」
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林喜市郎

林喜市郎

洋画・林喜市郎は1919年に千葉県に生まれた洋画家です。50歳を過ぎてから画家として世に出て来るという異色の芸術家で、数多くの古民家を描き続けました。その作品は郷愁を呼ぶ心温まるタッチで描かれ、季節の移り変わりを感じることができる繊細な写実性に富んだ透明感のある作風でした。全国の民家を訪ね歩いては描き続け、日本の素晴らしい文化を後世にう伝えるために精力的に活動します。1946年にシベリアに勾留されながらも、その後敗戦となり日本に戻り画家を志すようになります。その経験もあり、故郷の残さなくていけない美しい風景と民家をモチーフにしていたのではないでしょうか。そんな林喜市郎の作品で数多く描かれているのが、山梨県の忍野村の風景です。ダイナミックな出で立ちの富士に、小川が流れるのどかな農村に民家が映えるように描かれた作品です。優しくも写実性に富んだ油彩独特のタッチが郷愁を呼び起こさせる、バランスの取れた素晴らしい作品になっているのです。一見、いたって普通の風景画ではありますが、空、土に木々など一切の手抜きなく描かれるその妥協なき制作意欲が、作品のクオリティに繋がり、熱烈なファンを増やしている理由ではないでしょうか。対象物と真正面に向き合い、ウソ偽りない真実をキャンパスに落とし込んで行くその姿は勇敢にすら感じてしまいます。また制作をするにあたって、自らの足でその土地に赴き、空気感を肌で感じることで土地による僅かな違いを描き分けた感受性は見事であるとしか言いようがありません。愚直に民家を描き続けた林喜市郎ですが、その努力が認められ、1970年に全国勤労者美術展都知事賞を見事に受賞しいています。その後、画家として地位と名声を手に入れ益々精進していき、一水会展に入選した後に4回に渡り入選をしています。そして日伯現代美術展入選も果たすなど、大きく日本の美術界に貢献していきます。また林喜市郎の集大成として1981年には「民家を描く12ヶ月」という自叙伝的な著書も刊行しており、遅いデビューではありましたが素晴らしい功績を多々残します。日本の美術家であることを誇りに、愛国を貫きとおした誰よりも強い信念を持ち続けた画家だったのです。