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「掛軸 小谷津雅美」
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掛軸 小谷津雅美
現代の掛軸画家・小谷津雅美。琳派を思わせるような花鳥画、風景画、草花などをモチーフとした作品を描いています。色彩表現が巧みであり、金銀彩を効果的に使用した作品も珍しくありません。写実的な表現にこだわっては居ないものの、確かなデッサン力に裏付けされた現実感と雅趣味が融合した独自の作品が小谷津雅美の作品の特徴です。小谷津雅美は夢殿などで有名な安田靫彦に師事しました。現在は日本美術院同人、評議員を勤めるとともに、自らも院展に出品するなど精力的に活動。2006年に桜韻で内閣総理大臣賞を受賞するなど、その画道に衰えはありません。日本美術院展覧会に若干16歳にして入選しています。孔雀の羽根が画いっぱいに広がる独特な構図。非常に特徴的な構図に挑戦していながらも高い完成度を誇っています。この若さにして、現在に至るまでの小谷津雅美の画風の土台は固まっていっても間違えありません。桜韻では見事な桜の木を描いております。やはりここでも、独特で優れた構図力がしっかり生きています。下から上に桜の木を眺めた視点のような構図であり、なおかつ高い画力も相まって、日本庭園にて春の桜を眺めているよな優雅な気持ちにさせてくれる絵です。月夜見桜(けやき)では、春のモチーフである桜の木が、どこか冬を思わせるような独特な色彩表現によって描かれています。フクロウを画の隅に配置するなどして、全体的な均一性も高いです。小谷津雅美の絵は非常に大胆な構図を持ちながらも、綿密な計算が成されており、決してそれが不自然ではありません。むしろモチーフを捉えるのに、これ以上の描き方があるのだろうか?と感心してしまう程のものです。小谷津雅美の描いた数々の作品は、そのルーツを日本画に持ちながらも、決してその常識にとらわれることなく、非常に自由なものです。日本画の持つ可能性を大きく広げ、そして新たな時代をつくるのに十分な程の力を小谷津雅美の作品は持っています。
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