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洋画 山本彪一
日本を代表する画壇でありながら、その地位に慢心せずに自由気ままに絵画を描き続けていた洋画家、山本彪一。色鮮やかな筆遣いに繊細な構図など、晩年を迎えるにつれ色気を増した作品を描いており、その作品は現在でも多くの人々の心を魅了しつづけています。さて、そんな山本彪一は1912年に栃木県に生まれます。幼少の頃より絵画に興味を持ちながらも、勉学との両立はせずに心の片隅に絵画への憧れは閉じ込めていきます。そして、早稲田大学商学部卒業後からは、本格的に絵画の道へ進むという心がけ、独学で洋画の勉強を始めることとなります。そんな日々の中、転機となったのが1942年に師である、猪熊玄一郎に導かれ新制作展への出品でした。この出品を機会に、日展であったり光風会を中心にして活躍の場を広げて行くこととなるのです。絵画に魅せられていた山本彪一だけに、ヨーロッパの洋画の技術や作品を間近に感じたいと思い、結果的に1968年にはヨーロッパへ遊学をします。そこで、数々の美術様式に触れ、帰国後にはさらに名声を手に入れることとなります。1977年には、フランスのパームコマンドール勲章を受賞することになるなど、国際的にも名声を高めていきます。フランスに長期滞在をしてたこともあり、その独特の画風はフランス絵画と日本絵画の融合とさえ言われています。油彩画を中心に描いた山本彪一ですが、その淡いタッチは、フォービスムも感じさせるような、躍動感に満ちた筆遣いで描かれます。さらに、写実力に優れており、繊細なニュアンスもこだわりあるタッチで表現されています。また鮮やかな色使いで有名であった山本彪一だけに、晩年に行くにつれ、徐々に華やかな作風となっていった事でも知られています。日本の洋画壇として名声を手に入れながらも、慢心することなくニュートンの絵の具と洋酒、ピアノを愛する、実にモダンな人物だったのです。洋画の中でも、山本彪一の作品は非常に高名であり、現在も高価な価格で取引されています。自らの芸術を信じて歩み続けた天才、山本彪一。彼の生涯こそ、ロマンに満ちあふれたものだったに違いありません。
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