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洋画 吉井淳二
100歳という年齢でありながら、美しい構図と色使いの「ロバと駆者」を描いた洋画家、吉井淳二。数々の名作をこの世に残し、多く日本美術界に貢献をし続けて行った、国内を代表する洋画家の1人として知られています。さて、そんな吉井淳二は1904年に鹿児島県曽於郡末吉町に生まれています。幼い頃より、数々の作品に触れ、絵画への興味を日々募らせていきます。そして、鹿児島県立志布志中学校をしより志を深く持ち始めます。結果、東京美術学校へ入学し、洋画科を無事卒業することになります。初期の頃の吉井淳二の作品は、荒々しさがありながらも、情景を独特のタッチで描き哀愁の漂うような雰囲気で描かれます。どこか、危なげで果無い、熟成しきれていない瑞々しさも魅力の一つかもしれません。晩年になっていくと、より写実的になり色彩も淡く熟成された作風となります。しかし、立体的な陰影の使い方な独特な作風は吉井淳二らしく、美しさの中にある強さもしっかり感じ取ることができます。二科展での活躍が中心だった吉井淳二は、その功績が認められ、1961年には二科展の理事に就任しています。そして、その立場でありながらも精力的に作品制作を続けて行き、1965年には日本芸術院賞受賞するまでとなります。この受賞をキッカケに、更に躍進を続けることとなり、1976年には、 日本芸術院会員就任、1979年には社団法人二科会理事長就任など、美術界を支える立場として活躍を続けて行きます。さらには、その日本美術への貢献度が国にも認められることとなり、1985年に文化功労者として顕彰されることに。その4年後には、文化勲章を受賞するなど、名実共に日本人洋画家としての最先端を走り抜けました。さて、白寿を迎えた翌年の3月6日。満100歳を迎えるのですが、同年11月に眠るように息を引き取ります。しかし、その100歳の時分でも作品を発表するなど、常に美術へと向き合い続けた人生を送っていたのです。日本の洋画家として、一時代を築いた重鎮、吉井淳二。彼の作った道の上を、今我々が歩んでいるのです。
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