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「古書 千宗室」
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古書 千宗室

千宗室

従来の型にはまらない茶道家元、骨董買取・千宗室。 茶道の流派の、特に表千家、裏千家の家元と言われれば、偏見かもしれませんが、和服に身を包み、常に茶人としての心得、精神を重んじて茶を点てる、そんなイメージが思い浮かんできます。しかし、現代の家元のことを調べて見ると、意外と茶道以外のことにも関心や興味を示し、幅広い活動を行っている家元を見かけることがあります。その中でも、裏千家家元、16代千宗室は茶道だけでなく、執筆活動、ジャズ、SF作品などに強い興味を示し、過去の家元と比べると異色を放っているような、茶道という世界に拘らない幅広い活動を続けています。 そんな型にはまらない茶人、千宗室の著書に、「母の居た場所」という作品があります。千宗室の母である千登三子大宗匠夫人が急逝してしまった際、二度と取り戻せないものの喪失感、悲しみを「母の居た場所」という手記として書き綴り、平成11年の月刊中央公論7月号に寄せました。千宗室は、一つのピースが欠けてしまったジグソーパズルを母を失った自分の悲しみに満ちた心に例えています。その文章から、彼にとって母の存在をどれほど大切に思っていたかが覗えます。「母の居た場所」では、千宗室の母の人生が一つ一つ、パズルのピースのように書き綴られています。文章の中で、彼は母の姿を追い、現実世界で失ってしまったピースを取り戻そうとしていたのかもしれません。「母の居た場所」は多くの人々の感動を与え、現在でも人気を持つロングセラー作品となっています。 茶道裏千家家元でありながら、茶道の世界に拘ることなく、幅広い活動を続けている千宗室は、母を失ってしまった悲しみを欠けたパズルに例えました。しかし、そのピースはもうすでに埋まっているのかもしれません。彼自身が書き綴った「母の居た場所」によって、彼はこれから過ごすはずだった母との時間を文章の中で過ごしたのではないでしょうか。悲しみを感動に変えた裏千家家元は、これからも幅広く、既存の家元のイメージを変える新しい家元として活動していくことでしょう。