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日本画 尾形乾山
日本画家 尾形乾山(おがた けんざん)は江戸時代を代表する画家(絵師)です。 乾山はきらびやかな装飾が特徴的な『風神雷神図屏風』で有名な絵師・尾形光琳の実弟で、光琳と対照的な慎ましげで内向的な作品を多く残しています。乾山は制作した作品ごとに深省、霊海、京兆逸民、陶隠などさまざまなペンネームを使いましたが、一般的には陶工としての名乗る際に用いた乾山の名で知られ、国内外を問わず多くの好事家たちから愛されています。尾形乾山は寛文3年(1663年)、京都の裕福な呉服屋の三男坊として生まれます。6歳上には兄の光琳がおり、陶芸と絵画の手ほどきを受けて育った二人はそれぞれが芸術家の道を歩み出しました。貞享4年(1687年)、乾山が24歳のときに父が他界し、財産を光琳と分けて相続します。派手好きで放蕩気のある光琳は莫大な遺産を放埒な生活と女道楽に費やしましたが、それと対照的な性格の乾山は書物や学問を愛し、質素な生活を送りました。元禄12年(1699年)、このとき37歳の乾山は京都北西部の鳴滝に窯を開き、本格的に陶工として旗を揚げます。また、現在よく知られる乾山の名もこのときに号され、「乾」は北西を意味し、都から北西の位置に当たることから命名されました。また、当代きっての絵師であり、時代の寵児でもあった兄の光琳との交流もあり、乾山の器に光琳が絵を入れるなど、兄弟合作の貴重な作品も残されています。当初、乾山は陶工として名を馳せましたが、70歳のころから片手間で絵画の修練を重ね、次第に絵師としても才能を発揮し始めます。70歳と言えば江戸時代当時ではまさに老境、新しいことを始めるのは勇気が要ります。一般的に穏やかな性格と言われる乾山ですが、このことからは芸術に対する並々ならぬバイタリティが伺えるでしょう。乾山の日本画は乾山独特の洗練された風情、洒脱味があり、茶人の間で大変もてはやされました。
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