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古書 森鴎外
明治の文豪、骨董買取・森鴎外。本名は森林太郎。彼の代表作として知られる「山椒大夫・高瀬舟」「雁」「阿部一族・舞姫」は昔から今に至るまで多くの人に読まれていますよね。鴎外の職業は小説家、評論家、翻訳家、劇作家、陸軍軍医(軍医総督=階級としては中将に相当します)、官僚など実に多種多様です。彼はロマン主義であり、高踏派でした。石見国津和野(現・島根県津和野町)出身で、東京大学の医学部を卒業。大学卒業後に陸軍軍医になり、陸軍派遣留学生として4年ドイツで学びました。帰国後には訳詩編「オモカゲ」(デビュー作)小説「舞姫」翻訳「即興詩人」を創刊して文筆活動に入りました。その後は、日清戦争の出征や小倉転勤などによって一時期は創作活動から遠ざかる時期もありましたが、「スバル」創作後に「ヰセント・セクスアリス」「雁」などを発表しました。そして明治天皇崩御、乃木希典の殉死に多大な影響を受けて、「興津弥五右衛門の遺書」を発表した後、「阿部一族」「高瀬舟」など歴史小説の世界を拓きました。晩年には史伝文学という新たなジャンルを確立しています。彼が影響された人物は、アンデルセン・ゲーテ・シェイクスピア・シラー・ハウプトマン・ショーペンハウアー・フォン・ハルトマン・夏目漱石などです。そして多くの日本の作家に影響を与えています。彼の作品はとても趣があり、文章が美しいです。鴎外は若い時代に結婚と離婚を経験しています。そして小倉時代に再婚します。母と嫁との衝突や姑問題に悩みつつ、家族の幸せの為に真面目に誠実に対応していきます。その一方では医務局長としてもその組織や人事面などでも問題を抱えていました。彼は公私のみならず、作家と軍医という二つの人生の中に身を置いて生活していました。とてもおだやかな内面を持っていた彼だからこそ、出来たんでしょうね。最後に、彼は死に及んで「石見人森 林太郎トシテ死セント欲ス」という遺言を残し、大正11年7月9日に永眠。享年60歳でした。