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「掛軸 青木大乗」
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掛軸 青木大乗
掛軸画家 青木大乗は、1891年に大阪で生まれた日本画家です。日本国内に止まらず、ヨーロッパや中国なども歴遊しており、写実的な感覚を大切にした作品を多く残した画壇です。青木大乗は、初期の頃は写実、油絵などの技法で作品を描いたものの、晩年になると水墨なども手掛ける非常に異色の存在であったことも有名です。青木大乗は、画家を目指してから関西美術院で洋画の基礎を学びます。そして、その後に京都絵画専門学校では日本画の基礎を学び、若い頃からジャンルにとらわれない、幅広い絵画技術を身につけていきます。そういった、絵画界への革命児的な発想を広めるため、1937年には、結城素明・川崎小虎などの、日本画家と大日本美術院を創設します。通常の作品とは、また赴きが違い、新しい日本画を次々と打ち出していき、美術界の中でも非常に話題となっていきます。青木大乗の作品を語る上で欠かせない存在とされているのが、静物画です。同氏の静物画は、日本画特有の凛としたイメージも持ち合わせておりながら、洋画の持つ色彩をいくつも重ねあった時に生まれる、奥行きのある深みも感じ取れます。特に、有名な作品のひとつである「呉須鉢に果実」では、その特徴が顕著に表現されています。背景にもこだわる、青木大乗の作品は青を貴重としながらも、メインとなる果物をより輝かせる、暗くなり過ぎない不思議な魅力を放ちます。ふわっと、優しい光を浴びたような優しさを感じさせながら、ひとつひとつの素材が全て独立する、果敢なく、強い印象も楽しめる秀逸作となっているのです。青木大乗が結成していた、大日本美術院は15年以上続きますが解散。その後、同氏はどこの団体に所属することも無く、孤高の画家として活動を続けます。一部では「野武士」とまでいわれながら、最終的には誰の真似でも無い、青木大乗という大芸術家としての地位を築きます。青木大乗は、芸術家としてはエリートで無いかもしれません。しかし、だからこそ、後世にまで残る作品を多く残せたのです。彼の歩んできた道こと、彼自信を投影してるものだったに違いないのです。
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