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日本画 松尾敏男
日本画家、松尾敏男は1926年に生まれです。若い頃から画家として活躍をし、数々の名誉ある賞を受賞していることでも有名です。院展を中心に活躍の場を広げていた松尾敏男は、日本の院展の発展において非常に大きな功績を残していくことでも広く知られているのです。そんな松尾敏男は、長崎県の長崎市の出身です。幼少のころから絵を描くことが大好きであった松尾敏男はその才能を伸ばすべく、17歳の時堅山南風に師事を始めます。そこで、基礎を学んでいき日本画の面白さにのめり込んでいきます。しかし、スポーツにも興味を抱いていた松尾敏男は学生の頃には体操の選手として活動していたことも知られているのです。さて、そんな松尾敏男なのですが努力を重ねに重ね、1949年に院展に出品をした「埴輪」が入選を果たします。この入選をキッカケに院展との長い付き合いが始まります。この受賞以降は院展を中心に出品を続けることになり、1962年には初の院展奨励賞を受賞、さらには1966年には院展日本美術印賞を受賞していくのです。そんな松尾敏男ですが、日本画らしい繊細な線で描かれる菊や数々の日本美を感じられる作品を打ち出しています。しかし、ここで注目したいのが松尾敏男の作品は日本国内に止まらず、各国の情勢や生活に目を向けた作品も多く残しているというところです。その中のひとつである4曲1隻で描かれた作品である「貧しき人々」です。インドの農民を描くこの作品なのですが、貧しいというタイトルながらも人々の表情や態度は毅然としたものがあり、誰一人大きな不満を抱えている、という印象は受けません。独特のタッチと色彩の構図で描かれた作品であり、白を貴重としながらも全体に優しい雰囲気を出す松尾敏男特有のメッセージ性の強い作品になっているのです。中には師である「南風先生像」という肖像画も描いていますが、威厳に満ちた表情でありながら優しく幻想的な筆遣いで纏われた全対の構図が厳しくも心優しい師への思いやりを感じることのできる作品になっているのです。日本の美術界へ大きな功績を残す松尾敏男。彼の人柄とメッセージある作品は日本の宝とも言うべき物なのです。
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