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古書 樋口一葉

樋口一葉

明治に生まれ活躍した日本の女性作家、骨董買取・樋口一葉。現在の五千円札のデザインにもなっておりその名前は誰もが知っているかと思います。学問好きで早くから彼女の文才を見抜いていた一葉の父は、彼女に和田重雄のもと和歌を習わせます。その後入門する中島歌子の「萩の舎」では和歌のほか古典文学などを学び、後の彼女の作家としての初期作品に影響を与えました。そんな一葉の父は、下級役人として働き士族の身分を得ていましたが、一葉がまだ少女の頃に免職。これにより樋口家の生活はひっ迫していきました。父の跡継ぎであった兄が死に、父も没して一葉は17歳にして樋口家の戸主となってしまい、母と妹とともに針仕事や洗い張りなどをして生計を立てる苦しい生活を強いられます。労働に対して蔑視の傾向を抱いていた一葉は文学にその活路を見出し、処女小説「闇桜」でデビューを飾ります。それでも改善されない生活苦に、一度筆を折るつもりで吉原遊郭付近に雑貨屋を開きましたが、結局は一年足らずで店を畳むことになります。しかし、ここでの商売や人付き合いの経験が、復帰後執筆された樋口一葉の代表作「たけくらべ」を生んだと言われています。「たけくらべ」を連載しながら、淪落女の生きざまを描く「にごりえ」、男尊女卑に抗議を投げかける「十三夜」など、この時代に生きる女性の苦悩をありありと描き出した名作を次々と執筆し、一葉は小説家として開花を迎え、この期間は「奇跡の1年」と言われています。短期間で日本文学史に残る作品をいくつも残した一葉ですが、肺結核により24歳という若さでこの世を去りました。一葉の残した作品は、明治の女性の生きざまや苦悩、悲哀を情緒溢れる文体で描いており、現代においても読者の胸を打ち続けています。これらの作品は、明治の時世の中女戸主として生活苦に追われつつも、自らから湧き出る文学への情熱で生計を立てた一葉だからこそ残せた作品なのでしょう。彼女の書き遺した日記もまた文学的評価が非常に高く、失うには惜しい才能があまりに早くこの世から消えてしまったことを実感させられます。「彼女が短命でなければ、日本文学史に残るような作品がさらに生み出されたのではないか」そんな不粋な妄想で樋口一葉に想いを馳せることしか、現代を生きる私たちには出来ない。