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「金子鴎亭」
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金子鴎亭
時代に合った詩文を提唱した書家、骨董買取・金子鴎亭。明治39年、金子鴎亭は茂草小学校の校長、金子賢治の四男としてこの世に生を受けました。金子鴎亭は戦後の近代詩文のあり方について、親しみ易く、現代の日本に相応しい表現をするべきだと主張しました。それまで書の題材と言えば、漢詩、漢文だったのですが、金子鴎亭は日本語の作品を題材とした書とすることを提唱し続けました。詩文書の世界に新しい風を吹き込んだ先駆者と言える人物です。その後、金子鴎亭の新しい取り組みの考えは世の中に受け入れられていくようになり、近代詩文書の世界の基盤を作り上げました。現在では書の一分野として当たり前に定着しています。金子鴎亭の作品の中に、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を書に起こしたものがあります。この作品では宮沢賢治が自身の作品に表しているように、非常に繊細で、しかし確固たる意思、覚悟を書に筆で忠実に再現しているように見えます。細い線の繊細さの中にも豪快さを感じさせる金子鴎亭の「雨ニモ負ケズ」は宮沢賢治自身が魂を込めて筆を走らせたような感覚さえ覚えます。金子鴎亭の筆はただ文字を書いたりするだけではなく、彼自身の作品なら彼自身の、他者の作品を書いた時はその作者の、今回で言えば宮沢賢治の魂を書に込める、それが金子鴎亭の作品が人々を魅了する一つの理由だと思います。魂を書く書家と言える金子鴎亭は32年間、戦没者慰霊碑を書いた人物でもあります。「全国戦没者之霊」という金子鴎亭が筆を走らせた書には、圧倒的な迫力を感じさせる何かがあります。その何かとは、戦争で命を落とした人々と、残された人々全ての魂なのではないかと思います。ただ一人の書家によって走らされた筆は、幾人もの人々の想いが乗った、とても重い筆なのでしょう。近代の詩文書のあり方を提唱し、人々の魂を筆に乗せ書いた金子鴎亭。彼の作品は、今ではもう会うことが出来ない人々の魂、想いを書によって伝えてくれる、今と過去を繋ぐものだと感じます。