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「オディロン・ルドン」
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オディロン・ルドン
黒い画面にユーモラスな蜘蛛を描いたり、大きな目玉が気球のように上空へ昇っていく、ちょっと不思議で哀愁の漂う絵画を描いたかと思えば、一転して、目の覚めるような豊かな色彩で花束などを描いた洋画家がオディロン・ルドンである。
植物学から大きな影響を受けたルドン
ルドンは、1840年フランスのボルドーで生まれる。生後まもなくボルドー近郊のペイルルバードへ里子に出されてしまう。この地は荒涼とした林に沼など点々としている場所で大変寂しい田舎であったという。少年時代をこの地で育ったことでルドンの人格形成に大きな影響を与えたとされる。子供のころから絵を描き始めるが、父親の意向で一度は建築家を志すも入学試験に失敗し、絵画の道に戻ることとなる。この頃、ルドンはカミーユ・コローなどの洋画から大きな影響を受けた。また、20歳の頃には、植物学者アルマン・クラヴォーと知り合い、植物学や、顕微鏡など様々なことを学ぶ。後にルドンは版画で植物学の影響のみられる作品を作っている。独自の世界で今もなお多くの人の心を惹きつけるルドン
最初は「モノクローム・パステル」とルドン自らが呼んだ、木炭の黒一色による絵画が多く描かれた。その作品は、独特の形態をした不思議な物体・生き物を黒の濃淡で描き表すというものである。細やかな線は、ルドンの繊細さ・不安を表しているかのようでもある。 その後、長男の死別を経てから二男の誕生を経験したルドンは、黒の世界から終わりを告げることとなった。そこに描かれているのは、鮮やかな、あるいは優しい色彩に彩られた絵画である。国家に買い上げられた作品「目を閉じて」では、安らぎに満ちた表情の女性が静かに目を閉じており、茶色・水色・肌色の主に3色で穏やかに描かれている。暖かみのある肌に背景の水色がすがすがしく、茶色の髪の毛で落ち着きを与えている。自己の内面を深く見つめ、あるときは孤独や悲しみをユーモラスに、あるときは幸福をかみしめるような作品を描いたルドンは、その独自の世界で今もなお多くの人の心を惹きつける洋画家である。