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「フィンセント・ファン・ゴッホ」
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フィンセント・ファン・ゴッホ
鮮やかな色彩で力強く描いた向日葵の絵で広く知られるのが、ポスト印象派の洋画家、フィンセント・ファン・ゴッホである。ゴッホは、1853年、オランダの牧師の家に生まれた。最初は、美術商であるビーグル商会で働くが、牧師となることを夢見るようになり、貧しい人々の中に入り、布教活動を行う。しかし、その活動のしかたが牧師としてふさわしくないとして、布教活動を教会から拒否されてしまう。ゴッホが絵画の世界を目指すことになるのはその後のことである。
宗教的色彩の強いものが多いゴッホの絵画
牧師となる夢が断たれた後も、ゴッホは聖書を熱心に読んでいたという。そのため、ゴッホの絵画のテーマも宗教的色彩の強いものが多い。 例えば、「種を蒔く人」は、ミレーの絵画に傾倒していたゴッホが、その下敷きとなった宗教的意味合いをもとに自分なりに色彩豊かに新たな世界を構築したものである。絵画中では、鮮やかな大きな太陽が大地に沈もうとしており、麦畑を金色に染めている。その中で一人、男が麦を蒔いている姿は、力強い動的リズムをもって描かれている。 また、ゴッホと言えば、夜を描く画家としても名高い。「星月夜」や「夜のカフェテラス」がその例である。ゴッホの描く夜は、深々とした静けさの中に月や星の光が力強く渦巻き、あるいはその光を花に例えるかのように描かれている。「夜のカフェテラス」では、夜を表す青とカフェテラスの人口の光である黄色、さらには星たちの透明な光との対比が美しい作品である。 このようなゴッホの数々の作品は、洋画の中でも特に日本の浮世絵に大きな影響を受けているという。それは、大胆な構図や強い輪郭線、平面的な色彩などに表れている。ゴッホの個性的で見る人を引き込まずにはいられない作品群には、名だたる洋画家、そして日本画家もが影響を受けている。