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「倉田白羊」
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倉田白羊
倉田白羊は1881年生まれの日本人洋画家です。佐倉藩士で漢学者の倉田幽谷の末子として、この世に生まれました。彼には弟次郎という年齢が10歳ほど上の兄がおり、浅井忠に師事し画家を目指していました。しかし、明治美術界会員として歩み初めだした矢先に23歳という若さでこの世を去ってしまいます。その兄の意志を次ぐために、倉田白羊は自身も浅井忠に師事し、結果その後、太平羊美術会、明治美術会、文展、院展羊画部など活動の幅を広げて行っています。彼に制作姿勢のモットーに、何ものも振り落とすまいとおう姿勢があり、なにげない風景をはつらつと明るく爽快に描いていた事でも知られています。そんな倉田白宏のこだわり抜いた姿勢で描かれた作品といえば「たき火」や「たそがれ」です。正確な構図に基づいて描かれているこの作品は、まさに彼のもつ実直さに温和な性格と、何事も性格に掴み取るその写実力が垣間みることができるのです。これを描いた時代は、丁度世界恐慌の波を受けていた時代であり、その流れと共に倉田白羊が当時移住をした長野県の上田市も例外ではありませんでした。農村といえど、厳しい貧困状態に脅かされる世界恐慌から住民達を守るべく、倉田白羊は経済的にも支援をしようと、奮闘していました。そして、そんな思いの最中描かれたこの作品なのですが「たき火」に至っては、彼の作品の中でも1番・2番を争う評価を受ける名作です。その大きさは210cm×275cmと非常に大きく、見るもの全てを絵の世界観に引きずりこむような迫力とクオリティを感じ取ることができるのです。さらに、失明の危険と不安がある身体状況の中書き上げられたという、超大作です。この作品を機に信州在住の美術家たちを羊画講習会などを開き、指導していっては美術界の若手の育成に大いに貢献していたのです。その高潔な人柄と、決して自分の立場に甘んじることなく芸術家として活動を続けていた倉田白羊に、周囲の人間達に大きな刺激を与え続けました。兄の意志を受け継ぎ、そして携わる人間を守り助けていく。倉田白羊は慈愛と情に溢れた、誰からも尊敬される美術界きっての重要人物なのです。