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「斉藤真一」
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斉藤真一
洋画家 斉藤真一は1922年に岡山県に生まれた画家です。幼少期は浄瑠璃や浪曲などに親しみ、芸術的感性を磨いていました。 その過程において、画家を目指しだした斉藤真一は東京芸術学校に入学し、美術講師として働き始めヨーロッパ各地へ放浪の度を始めます。斉藤真一といえば有名なのが北国の三味線を奏で歌うごぜの姿を描いたエッセイです。絵画だけでなく、文筆活動も積極的に行っていた斉藤真一は常に自分の芸術を信じ、貫き通した画家だったのです。そんな斉藤三郎の作品の中でもとりわけ美しく、評価の高い作品が1974年に描かれている「冬の月」です。豪雪で積もった雪が白銀の世界になる日本の北を描いたこの作品ですが、月夜が優しく照らすその独特な世界観は見るものの心を落ち着かせます。まさに静寂という言葉がぴったりな空気感が繊細ながら淡くどこがか幻想的なタッチで描かれており、夜中であっても恐怖感は一切なく、むしろ優しく温和な気持ちにすらさせてくれる素敵な一枚です。遠くの集落を目指し歩く人達は蓑を被り、まだ見ぬ新天地に向かい清々とした気持ちで歩みを進めています。この絵から、斉藤真一という人間の温和さや慈愛に満ちた精神が手に取るように分かり、彼の人生の縮図といっても過言ではない壮大な作品なのです。盲目のごぜを追い、描き続けた斉藤真一ですが、彼女達を描く際は独特の色である“赫”を使い描いています。幻想的な雪の中に肩を寄せ合い、見えぬ目ではあるものの心と音で感動を与え続けるごぜの姿は斉藤真一という画家に大きな転機を齎したのです。そんな独特の目線と感覚を持ち続けることのできた斉藤真一の創作の源は、幾度となく赴いた欧米への絵画旅行も関係しているでしょう。海外で見た様々な絵画と技法に影響を受けながらも自分のスタイルを崩さず、自分なりの美を求め続けていたのです。現在、彼の描く作品は映像化されたり、劇化されたりと我々の心を捉えて止まない重要な意味を持ち合せた重要作が多くあります。常に真実と芸術の核心描き続けた斉藤真一は、日本の美術界に無くてはならない存在であったのです。