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古書 渓斎英泉
挫折から浮世絵師としての才能を開花するに至った渓斎英泉。渓斎英泉は、江戸時代後期に浮世絵師として活躍した人物です。12歳の頃より狩野白桂斎に絵の技術を学び、15歳で元服した際、江戸屋敷に士官しましたが、17の頃に上役と喧嘩沙汰を起こし、職を失ってしまいました。渓斎英泉は浪人となってしまいましたが、つてにより市村座の狂言作家、初代篠田金治の狂言見習い作家となりました。しかし、20歳を過ぎた頃、両親が他界してしまい、残された3人の妹を渓斎英泉一人で養わなければならなくなりました。当然、狂言作家としての道は閉ざされてしまい、ここで大きな挫折を経験したのです。しかしその後、浮世絵師である菊川英山の元で本格的に浮世絵の執筆を始めました。この頃から渓斎英泉の類稀なる浮世絵師としての才能が花開いていくことになるのです。渓斎英泉は後に文政12年の大火で家を失いましたが、酒、女を愛することを止めなかったそうです。彼の女性好きが作品に影響しているのか、渓斎英泉は美人画大きな業績を成し遂げました。渓斎英泉の作品に、「舟中の男女」というものがあります。これは、舟の中で身を寄せ合う男女を描いたものです。渓斎英泉の美人画はどこか妖艶な雰囲気を持っていて、当時の人々から大きな人気を得ることになりました。「舟中の男女」は、寄り添う男女の絶妙な距離感を表しており、春画のような淫靡さとは違った妖艶な雰囲気を持っています。渓斎英泉の男女を描いた浮世絵は、絵の中の二人はなぜこのような微妙な距離を保っているのかと見ている人にもどかしい気持ちを持たせます。そのもどかしさこそが渓斎英泉の作品の持ち味の一つであり、男女の絶妙な距離感の構図を作り出すことが、彼の才能の一つであったと感じました。渓斎英泉の描く美人画は、生々しいと感じるほど独特の表現で女性を描いており、彼の女性に対する観察眼の鋭さを思い知らされます。渓斎英泉の美人画を見ていると、彼はただの女好きな男ではなく、女性という一つの芸術を描くことの虜になった一人の浮世絵師という感想を抱きました。骨董買取・渓斎英泉の古書を買取いたします。