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「牛島憲之」
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牛島憲之

牛島憲之

 洋画・牛島憲之は明治生まれの画家で昭和から平成にかけて活躍しています。熊本県に生まれ、長きにわたり日本を代表する洋画家として活躍しました。
 牛島憲之の描く作品から感じられる繊細な描写力、そして、彼自身の目線で描かれた独自の心象風景、素朴さの中にある慈愛に満ちた絵は、一度見れば心に焼き付いて離さない名画ばかりです。常に第一線で走り続けていた牛島憲之は、生涯現役の画家として様々な作品を残しています。地元の学校を卒業した後、美術学校の試験を受けるも失敗しており、その間洋画研究所に通っていました。以前から芝居好きであった牛島憲之は、歌舞伎などに興じていましたが、その甲斐あってか「芝居(赤阪並木の段)」は第8回帝展入選を果たしています。全体的に暗いタッチで描かれている作品ですが、この構図やまさに本番最中、という雰囲気は芝居を知っている人間にしか、描くことのできない名作である、と後世に語り継がれています。
 その後の作品である「貝焼場(午後)」を鑑賞すると、色彩が一気に明るくなり、牛島憲之の持つ鮮やかな色使いと繊細な構図が手に取るように分かってきます。彩度が高い色合いで配置された画面が、貝を運ぶ人達をより躍動的に見せてくれます。また、陰影の使い方も絶妙であり、午後の貝焼場の雰囲気が生き生きと表現されているところもさすがの一言です。そして生涯現役を貫く牛島憲之作品の1984年の作品「灯台のある島」ですが、そのタッチや構図は一転、淡くやわらかい印象を受け取ることのできる作品です。無駄なものは描かず、シンプルなものだけを表現しているこの作品は、どこか別の世界に連れて行ってくれるような心地よい空気感を感じることができます。
 そして、その後に描かれた「道一筋」が最後の彼の作品となりました。年を重ねるごとに、作品はシンプル、そして繊細で甘美なものに移行していき、見るもの全てが彼の優しく、慈愛に満ちた人間性を感じる名画ばかりです。その想像力と活力は未だ類を見ない芸術家であった牛島憲之。現代の日本に彼が生きていたのであればどんな作品が生み出されていたのでしょうか。