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「表千家_[九代]_曠叔宗左_了々斎」
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表千家_[九代]_曠叔宗左_了々斎
九代目を継いだ了々斎は如心斎に始まった新境地を引き継ぎながら千家茶道を円熟の域に育て上げた名匠です。
規式をまとめ、細やかな規律を細部にわたって規定し、後代に伝えるという功績を残しています。 時は文化文政、町人文化も爛熟していく時代です。その中で如心斎が始めた家元制を、今日に伝わる形にまで整えました。これには、徳川治宝、またの名を一位様と呼ばれた十代目紀州公の格別な愛顧・庇護を受けたことも背景にあったと言われています。
徳川治宝は文武両道に秀でた名君で、また大変な風流人でした。詩歌管弦を好み、晩年は悠々自適の芸能人生とも伝えられますが、茶の道には厳しく深奥に迫り、了々斎の指導のもと、ついには皆伝を授かるまでになります。これは嗜みや遊びとしか茶道を学ばなかった当時の武家には非常に珍しいことでした。
千家茶道を大きく進めた了々斎は、優れた先達として如心斎を深く敬愛したと言われており、道具作りにも如心斎の影響が見られます。如心斎の好みの釜を、了々斎流に手を入れ引き継がせ、如心斎が十二種の茶器を定めたことに倣い、茶釜十二種にあわせた柄杓十二種を定めるなどしています。
華やかな物から質素なものまで幅広く
このように如心斎に倣う一方、自らの作品も多く残しており、代表的なものに手造の黒楽、赤楽の茶碗があります。独特の風合いを持った筒茶碗などの現物が残されており、了々斎の好みをよくあらわしていると言われています。当時の千家十職のうち、楽家、永楽家で「了」の字を了々斎からもらい、楽了入、永楽了全を名乗ったことでも分かるように、了々斎の道具作りへの力の入れようは大変なものでした。 好みとしては、蒔絵を多くあしらった華やかなものから、利休流の侘び数寄をあらわした質素なものまで幅は広く、扱った道具も歴代の中で一、二を争う種類の多さがあります。了々斎の好みに触れるということは、江戸期に熟成された茶道のありよう、その精髄に触れることなのかもしれません。