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「香月泰男」
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香月泰男

香月泰男

洋画・香月泰男は、1911年、山口県三隅市(現在の長門市)に生まれました。東京美術学校在学中から国画会に出品、同会の会員となります。卒業後、美術教諭として、北海道、山口県で教鞭をふるい、1938年に、藤家婦美子と結婚し、二男二女の父になります。1943年に召集されて満州に渡った香川は、戦後、約4年半のシベリアに抑留を経験します。この経験は、画家、香月泰男の作品を語る上で欠かせないものです。1960年に教育現場から離れて制作に専念し、1969年に第一回日本芸術大賞を受賞、70年代に人気作家としての地位を得ても、香月は、生涯彼が愛したふるさとで制作を続けました。1974年、心筋梗塞で62年の生涯を閉じましたが、1993年、故郷に香月泰男美術館が開館し、現在も彼の作品を鑑賞することができます。人の心の痛みを描いた画家、香月泰男。彼ほど、観るものの心に突き刺さる絵画を描いたものはいない、といっても過言ではないでしょう。終戦後、約4年半のシベリア抑留の経験から生まれた絵画は、口下手な香月が示した、戦争に対する精一杯の抵抗だったのです。苦しい抑留体験があるからといって、だれでも感動的な芸術を生み出せるというわけでもないのは言うもでもありませんが、宿命ともいえるその体験を経て、身を削る思いで描いた「シベリアシリーズ」が、彼の名を不朽のものにしました。「シベリアシリーズ」は、彼がシベリア抑留中の記憶をもとに、故郷で制作し続けた日本絵画史上稀に見るシリーズ作品です。57点の作品で構成されたシベリアシリーズは、そのひとつひとつにシベリアでのリアルな記憶、経験が宿っていて、作品としての造形的な美しさと力強さを盛り立てているのです。 戦前の明るく透き通った絵画や、帰国後に廃品を使って愛らしいおもちゃの制作を行なった香月は、元々明るい性格であったと言われています。そんな彼に、戦争がもたらした悲しい体験が、暗く、重々しい絵を描かせたところに、人生の悲哀を感じずにはいられません。