今泉今右衛門の皿を買取しました
「今泉今右衛門」について
突然ですが、みなさんは「有田の三右衛門」をご存知でしょうか?
有田焼きで代表的な三つの窯元のことを指しており、柿右衛門・源右衛門・そして今右衛門これら三つの右衛門を合わせて「有田の三右衛門」と呼ばれています。
その中でも江戸時代より続く色鍋島の品格を今なお、受け継いでいる今泉今右衛門について今回はお話しようと思います。
「有田の三右衛門」の一端を担う今泉今右衛門家、その歴史は約370年前の江戸時代から始まります。
江戸時代、鍋島藩の保護のもと鍋島藩窯では、市場に出回らない将軍家への献上品や城内用の磁器を制作していました。その中で今泉今右衛門家は藩の御用赤絵師として指名され、藩窯の色絵付を行っていました。
その今泉今右衛門家の技術の高さは「本朝無類」の色絵として認められており、赤絵の技術が他藩へ流れるのを防ぐため一子相伝の秘法として受け継がれます。
しかし、江戸時代の終わりと共に鍋島藩窯も消滅してしまいます。
が、明治以降に今右衛門窯を新たに築き色鍋島はもちろんのこと、古伊万里様式の磁器の製造へ踏み出していきます。赤絵の調合・技術も脈々と受け継がれ、その卓越した技術は国の重要無形文化財保持団体の認定を受けるほどのものとなりました。
今泉今右衛門といえば、十三代目のことを思い浮かべる方が多いかと思います。
今までの色鍋島の作風とは異なる新しい技法の作品を生み出しました。
それは、吹墨と薄墨を重ね合わせる「吹重ね」という技法です。
簡単にご説明すると、墨を霧のように吹きつけた模様の上に薄く墨を重ね、濃淡を表現する技法です。この技法を用いた作品は、様々な賞で高く評価され、平成元年には重要無形文化財「色絵磁器」保持者つまりは人間国宝として認定を受けました。
その美しい色合いから人気も高く、弊社でも高く買い取らせて頂いているもののひとつでもあります。
江戸期より続く今泉今右衛門家、現当代は十四代今泉今右衛門です。
十四代目は三十九歳という若さで襲名します。周りから与えられるプレッシャーの中、「墨はじき」と呼ばれる染付の中に白抜きの文様を作る技法を用いて新しいデザインの色鍋島を作り出しました。それはまるで雪の結晶のような文様、「雪花墨はじき」という当代オリジナルの技法です。
墨はじきは江戸期から品格のある技法のひとつではありましたが、繊細な筆捌きや手間もかかるため近年ではあまり使われない技法となっていました。
この繊細さと手間が、高い品格と格調を醸し出しているのでしょう。そんな新しい技法を生み出した十四代も父である十三代同様に人間国宝としての認定を受けます。
江戸時代より続く伝統・技術を活かしつつ新しいものを生み出し続けている今泉今右衛門家。その時代その時代によって変化をしつつも技術はもちろんのこと、品格や格調、誇りといった目に見えないものも受け継いできたからこそ、370年という長い時を経てなお存在し続けることが出来たのであろうと思います。
当代それぞれの持ち味や特徴を見てみるのもまた、ひとつの楽しみでもありますね。
査定について
茶道具や陶器に欠かせないのが、品物が入っている箱です。
それはただの箱ではなく、作家本人のサインが入っているか、もしくは関係者による鑑定がなされている箱でなくてはなりません。
ただの箱だと思って捨てないでください。そして品物をお持ちになる際はその箱も一緒にお持ちになってください。
さいごに
今回買い取らせていただいた商品は、上記の理由も重なり査定を頑張らせていただいた商品でした。このような「八光堂」だからできる高額買取は多数ございます。思い入れのある商品を、高額査定することに自信があります。
ご売却をお考えの方は、ぜひ八光堂・広島本店をご検討ください。