千住博 掛軸を買取致しました
確固たる地位を確立している世界的なアーティスト“千住博”
1995年にヴェネツィア・ビエンナーレにて、滝をモチーフにした作品【The Fall】を出品。東洋人として史上初の優秀賞を受賞した作家さんといえば皆様すぐにピンとくるのではないでしょうか。
滝といえばこの方。千住博氏です。
今もなお国内外で高い評価を得続ける日本画画家、千住博についてご説明しようと思います。
千住博は1958年東京都杉並区で工学博士の父とエッセイストの母の間に生まれました。幼少期から家中の壁や襖をキャンバスとして絵を描き、小学校受験の為に塾で絵の勉強を始めました。
小学生の頃には美術部に所属し、駆けっこを描いた絵が学校代表として展覧会に出品されます。この頃から頭角が現れていたのですね。
しかし、中学生になり高校に進学をしても画家になるつもりはさらさらなかったそうです。
そんな千住氏に転機が訪れたのが、高校二生生の秋のこと。
美術の先生の勧めで日本画の展覧会に行った千住氏は岩絵の具と出会い、その素材の魅力に取り憑かれました。
日本画に惹きつけられた千住氏は二年間の浪人生活を経て、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻に入学し、同大学を主席で卒業しました。
在学中にはよくビルをモチーフにした作品を制作していた千住氏ですが、卒業後自然をテーマに風景モチーフへ向かう事になります。
ビルではない何かを模索すること約10年。手当たり次第に何でも書き続けた彼が見つけたもの。
それが“滝”でした。
1995年にイタリアのヴェネツィア・ビエンナーレに【The Fall】を出品した千住氏は、東洋人として初の快挙、優秀賞を受賞します。
「滝や水のモチーフをめぐる連作に、「絵を見る悦び」を味わうことができた。日本絵の伝統を引き継ぎながら、どこにもないオリジナルな世界。絵に発する力があり、そこから自分のイメージが広がった。」と千住氏は述べています。
千住博のもうひとつ代表作に鹿をモチーフにした森シリーズがあります。
朝靄の中で佇む鹿とその上空にいる鳥のシルエットが朝の空気の中に溶け込んだ光景は自然と一体になり、叙情的で美しい作品の世界観を表しています。
加えて幻想的な雰囲気も醸し出されたなんだか心が洗われる作品ですね。
千住氏はマンハッタンから車で40分ほどのウエストチェスター郡のチャパカに住んでおり、ここは朝になると庭に鹿の親子が出てくるような場所なのだとか。アトリエと自宅の全く異なる環境がメリハリとなり、イマジネーションが得られご自身の気分転換になっているそうです。
さいごに
昨年末、開創1200年を迎えた高野山真言宗総本山金剛峯寺にて、千住氏による襖絵奉納の記者会見が行われました。
同寺大主殿内の隣り合う「囲炉裏の間」「茶の間」の襖、計42枚分の大作を新しく制作し、2020年を目処に奉納予定でモチーフは“滝”。
岩絵の具などの天然素材を使い水墨画に近いイメージ作品になるそうです。
「集大成と考えている、全人生をかけて頑張りたい」と意気込みを語った千住氏。これから益々期待される活躍から目が離せません。
千住氏は瀬都内国際芸術祭2016にも参加しております。
私も見に行きたいと思っております。
皆様も是非足を運んでみては如何でしょうか。