孤独の画家ベルナール・ビュッフェ
孤独の画家ベルナール・ビュフェ
皆様芸術はお好きでしょうか、今回はベルナール・ビュッフェという画家についてお話したいと思います。ビュッフェの作品は黒く鋭い線で描かれ、退廃的で暗い色が特徴的な作品で、どこか荒廃や不安を感じさせる作品を多く残しております。私個人といたしましても、とても好きな芸術家の1人で、現在も根強い人気があります。
ベルナール・ビュッフェは1928年パリに生まれます。最愛の母を10代で亡くし孤独な家庭環境で育ったビュッフェは幼少期を1人キャンバスに向かうことが多かったようです。その後芸術学校を卒業し、パリで権威のある賞を受賞します。
当時、第二次世界大戦が終わり間もない頃でした。町は荒廃し、人々はあらゆる物を失っています。未来に対する不安や喪失感、荒廃した景色、ビュッフェが作品に描いたのは決して幸せな物ではありません。幼少の頃から感じていた、孤独や疎外感や大戦後の空気、それらが凝縮し生まれた作品。傷ついた人々が求めたのは幸せな光ではなく、寄り添いそばにいてくれる何かだったのかもしれません。
孤独の中、人生を賭け絵画に埋没していったビュッフェ。
彼の作品に影響を与えた出会いがあります。
30才の夏、南仏のサン・トロペを訪れたビュッフェは生涯のミューズと出会います。アナベルという女性です。美しく洗礼された彼女はモデルとして活躍しており、ビュッフェと出会いすぐに意気投合します。そのわずか半年後に結婚をし、生涯を過ごす事になるのです。ビュフェは彼女を深く愛し、描いた女性画のほとんどはアナベルがモデルとなっています。また、彼女と過ごし始め、モノトーンであった作風は次第に多くの彩色を施した作風へと変化していくのです。多様な芸術表現にも試みており、優れた版画の作品も多く残しています。
しかし、生涯を芸術に捧げたビュッフェですが、幼少期から抱き続けた深い孤独は妻のアナベルにも癒すことはできず、晩年ビュッフェはパーキンソン病を患い、71才に自ら命を絶つという最後を迎えるのです。
ビュッフェの作品には人生を賭けて描いた美があります。時代を超えて人々を惹きつける、まさに美の呪力が宿っているのです。
さいごに
作品をお持ちの皆様、八光堂博多店は博多駅近くにございます。作品の美を読み解くことのできる確かな鑑定士がいる八光堂に是非、ご来店、ご連絡お待ちしております。