浮世絵のご売却は八光堂をご利用ください。
「浮世絵」について
◆はじめに
日本文化の象徴として、しばしば取り上げられる浮世絵。
海外のコレクターも多いといわれています。
今回はそんな浮世絵についてお話していきたいと思います。
◆浮世とは
まず浮世絵の「浮世」とはどういう意味でしょうか。
浮世の語源は「憂世」。長く続く戦乱の中、人々にとって現世は辛く苦い世界でした。そのため現世を憂い、来世へ幸せを願ったのです。しかし1603年江戸幕府が開かれ、争いのない泰平の世が築かれたことにより、明るく楽しい現世での幸せを願うウキウキした気持ちの「浮世」へと変化しました。
◆浮世絵とは
元々、浮世絵は芸術作品という認識ではありませんでした。
肉筆と版画の2種類がありますが、一般的に普及したのは版画の浮世絵です。
今まで公家や武家相手に絵を描いていた絵師たちは、明るく豊かに暮らす町人を見て大衆向けの風俗画を描くようになりました。遊女や役者、庶民の暮らしなどを描き、今でいうところのポスターやブロマイドのようなイメージです。
価格も当時の蕎麦1杯分と安く、大量生産されたものなので庶民も手軽に手にすることができました。
この浮世絵を海外貿易の際、陶器などを輸出する際に緩衝材や包み紙として使用したので、それを見た当時の西洋人が芸術作品としてコレクションしたといいます。
海外で人気と市場価値が上がったことにより、日本でも美術的価値を見出すようになりました。
◆浮世絵師の活躍
浮世絵の創始者といわれているのが、墨一色の墨摺絵の木版画で美人の姿絵を描いた菱川師宣です。のちに版画技術が向上し、いわゆる「錦絵(にしきえ)」と呼ばれる多色刷りへと変化していきました。
現在でも人気が高い作家は、喜多川歌麿・歌川広重(安藤広重)・葛飾北斎や幕末・明治の最後の浮世絵師である月岡芳年です。
この浮世絵は、天保の改革によって厳しく取り締まりを受けるようになります。
作品として世に出る前にかならず幕府の検閲(検印)が入り、公序良俗に反していないか、反社会的ではないかなどを厳しくチェックされました。
当時は絵師たちにとってネックであった検印も、現在では時代や場所が調べるのに大いに役立つので真贋判定のポイントとなります。
◆初刷りと後刷り
浮世絵の価値を決めるのは「作品のテーマ」「作者」「色味」「状態」です。
浮世絵は完全分業制であり、製作手順は絵師が絵を描き、それを元に彫師が版木を彫り、摺師が絵を刷ります。
その中で一番価値があるものは「初刷り」のものです。
初刷りには版元と絵師が立会い、1回でだいたい100~200枚は刷ったと言われています。この初刷りは最も綺麗な作品であり、枚数も限られているため希少性が高いものです。
それ以降に刷られた作品は後刷りといい、版木の彫り直しをしたり、修正や加筆が入ります。刷る際には版元が立ち合わないため、丁寧とは言い辛い作品となりますので、例え同じ構図の作品でも初刷りと後刷りではかなり市場価値が変わってくることになるわけです。
◆海外での人気
モネ、マネ、ドガ、ゴッホなどの画家、ドビュッシーなど作曲家にも日本の浮世絵は多大なる影響を与えました。
19世紀の万国博覧会にて出品された日本の芸術作品は、いわゆるジャポニズム旋風をヨーロッパ全土に巻き起こしました。
西洋では今まで考えもしなかった色彩や構図は、刺激となり印象派絵画の誕生のきっかけになったといわれています。
現在もコレクションとしても人気が高く、いわゆる春画も海外のコレクターに人気です。
さいごに
最近ですと、渋谷のBunkamuraにてボストン美術館所蔵の歌川国貞・歌川国芳展が開催されていました。江戸の文化を代表する「浮世絵」。世界中でその人気は衰えておりません。
ご売却をお考えの方は、ぜひ八光堂・横浜店をご検討ください。