萩焼の救世主 三輪休雪
三輪休雪について
皆さん、萩焼をご覧になったことはありますか?
お手に触れたことはありますか?
触れてみればお分かりになるかと思うのですが、萩焼はとても素朴で温かみのある焼物です。
他の焼物のように派手さはないですが、その分どんなものとも調和して主張しません。
控えめですが使い込めば個性が出てくる、そんな魅力に溢れた焼物が萩焼なのです!
・萩焼とは
萩焼には「一楽、二萩、三唐津」という侘茶の優れた茶碗をランク付けした言葉があります。山口県萩市が発祥で1604年毛利輝元が朝鮮出兵の際、連れ帰った李敬(坂高麗左衛門)達が開窯しました。
萩焼の特徴といえば「萩の七化け」です。
通常1200~1300℃で焼き上げる陶器を萩焼の場合は約1000℃で焼くため焼きが甘くなり、その焼きの甘さにより柔らかく、吸水性がある器が出来上がります。器の貫入(釉薬のひび)から抹茶や酒などが沁み込み、使えば使い込むほど表情が変化することを萩の七化けと言います。
萩焼の中でも特に人気の高い作家さんが「三輪休雪」です。
この方は萩焼で始めて人間国宝になりました。
こちらの画像は三輪休雪の茶碗です。茶碗として主張が激しくないので、お抹茶の緑が鮮やかに映えることがイメージできます。
・萩焼のスター 三輪休雪
「三輪休雪」という銘は、技法と共に代々継承されてきました。
当代十二代目となりますが、その歴代休雪の中で特に有名なのが十代目休雪(休和)と十一代目休雪(壽雪)の兄弟です。
なぜ有名かと言うと、この兄弟が一度衰退してしまった萩焼をもう一度盛り立てたからです。
明治維新により長州藩の後ろ盾を失ってしまった萩焼は時代とともに徐々に衰退していきました。そんな中、どうにかしてもう一度萩焼を盛り立てようと一念奮起したのが十代目休雪(休和)であり、何か他の焼物とは違う良さを見出そうとしていました。
そこで休雪が注目したのは“白”色でした。
・春の雪解け『休雪白』
休雪白は十代目休雪(休和)と実の弟である十一代目休雪(壽雪)の兄弟による共同開発です。休雪白には藁灰釉を使用しています。
この藁灰釉は読んで字のごとく藁を燃やした灰のことで、使用する灰は本来なら灰色(完全燃焼)のものを使用するのですが、あえて黒色(不完全燃焼)を使用することにより、より純白に近い白釉が出来上がります。
そこに長石を混ぜていくのですが、藁灰が多すぎると釉薬が上手く溶けなかったり、剥がれてしまったりしてしまうため、その調整はとても難しいと言われています。
休雪白の“白”は純白の美しい色をしています。
白砂糖をトロトロに溶かして、たっぷりかけたような柔らかく温かみのある白釉は、まるで春の訪れとともに山肌に掛かった雪が少しずつ溶け出すような…そんな情景が浮かぶ仕上がりです。
またただ真っ白であるのではなく、白色の間から見えるこの土色の絶妙な加減が休雪白の魅せ方です。これは「土見せ」といい、互いの色をより良く引き立たせています。
さいごに
一度は廃れてしまった萩焼を盛り立てた三輪休雪は救世主と言えるでしょう。
十代目休雪(休和)は萩焼を愛していました。
その意志と技術を継ぎ、実弟である十一代目休雪(壽雪)は「鬼萩」を、十二代目休雪は茶の湯の常識に囚われない自由な発想で様々なオブジェを生み出しています。
歴代休雪達が愛し発展させた萩焼が、これからどのように変化し、どのような作品が誕生していくのか楽しみにしていきたいですね。
そんな三輪休雪の作品を、八光堂では高額査定することに自信があります。
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