兜の移り変わり~兜はちゃんとかぶっといてね!~
兜について
兜の歴史はとても長く、およそ古墳時代には既に着用されていました。そこから江戸時代にかけて、形やつくりが少しずつ変化していきます。兜と言えばやはり前立てだと思いますが、実は頭を保護する部分(鉢といいます)もさまざまな形があったのです。
今回は鉢にスポットをあてていきたいと思います!
・兜の歴史 ~平安以前
日本の甲冑の歴史は古墳時代からと言われています。古墳時代には衝角付兜と呼ばれる兜が主に着用されました。衝角とは三角形の意味です。当時はまだ鉄を使うということはほとんどなく、革を使っていました。革で頭の形になるように半球状に形成しようとするとどうしても前面に三角形の空間ができてしまい、そこに三角形の革をあてがったために折角付兜と呼ばれるようになりました。しかし少しずつ鉄が普及していき、兜を鉄で作るようになってからはこの衝角付兜は姿を消していきます。
次に登場したのが厳星兜(いかぼしかぶと)というものです。これは鉄のプレートを半円状につなぎ合わせる際に使う鋲をそのまま残して星のように見せたものです。最初は10枚程度のプレートだったため、その分、鋲も大きかったのですが、だんだんとプレートも枚数が増え、それに伴い鋲も多く小さくなっていきました。それを小星兜と呼ぶようになりました。
・甲冑の歴史2 鎌倉~江戸
鎌倉時代中期くらいまでは星兜が使われていますが、星兜には大きな弱点があります。それは重さです。鋲をそのまま残すためかなりの重量があったようです。そこで登場したものが筋兜と呼ばれるものです。これは鉄のプレートをつなぎ合わせる際に、鋲をつなぎ目に沿って叩き伸ばしていくことで筋のように見えることから筋兜と呼ばれるようになりました。
重量が軽くなった分、鉢自体も大きくすることができました。鉢の中の空間を大きくすることで、頭と兜の間にスペースができ、攻撃を緩衝することができたのです。ちなみに買取でメインになるのがこの筋兜となりますが、筋が多ければ多いほど査定額アップにつながります!
これは筋が多いものがそれだけ精巧な技術を要したからです。お持ちの方はご確認してみてはいかがでしょうか。
・兜と言えばやっぱり前立て!
鉢をメインに書いてきましたが、兜と言えば独特な前立てですよね!
著作権の関係で画像は載せられませんが、気になった方は是非検索してみてください。
それでは私的前立てランキングの発表です!(あくまで個人的な意見です)
第3位は加藤嘉明の銀箔押富士山形張懸兜です。ぱっと見、イカです。
第2位は黒田一成の銀大中刳大盔旗脇立頭形兜です。皆既日食のようです。
そして第1位は…
黒田官兵衛の銀白檀塗合子形兜です!
お碗をひっくり返した形です。なぜこれを選んだのか…いえ戦国きっての策士ですから何かわけがあったに違いありません。
さいごに
兜は本来、甲冑とセットですので、合わせてお売りいただいたほうがもちろんいいのですが、兜しかない!という方でもご安心ください。八光堂では兜だけでもしっかりと査定致します。
ただ、兜は素材が鉄ですので日々状態は悪くなる一方です…ご売却をお考えの際は一日でもお早めに!