処分と思い出
“処分”とは…
季節の変わり目に衣替えをと考えたとき、いつも出てくるわ出てくるわのもう使わなくなったもの・・・。
特に今月は年末に向けて皆さんもあれを捨てて、これを残して・・・なんてお掃除しているのではないでしょうか。
愛着があってなかなか捨てることができず、とりあえず置いとこう!を繰り返し、また季節の変わり目や部屋の整理をしているときに後悔しながらも、もう一度押し込めてしまうことってありませんか?
実は私は捨てられない性格なのか、もう着るはずもない服や、知人にもらったものなど、思い出に繋がるものはなかなか捨てられないのです。
それでも、少しずつサイズの合わないものなんかは処分していくのですが、我が子の小さい頃の服やおもちゃは見るだけでその頃を思い出したりして、なかなかうまくいきません。
妻と子供に置いておこうか?と言うと妻は子供にいらんやんなぁと。子供服は全て知人に譲ったり、リサイクルショップに持ち込んだりで・・・かなりすっきりしました。笑
そんな私が先日、祖母の家の片付けを手伝うことになりました。
祖母は現在独り暮らし。二人で片付けていく中、亡くなった祖父の大事にしていたという背広やネクタイなどが出てきました。
普段は目にする機会もなく、祖母は大事にしまっていたとのこと。
こんなん着てたんや。爺ちゃんおしゃれやったんやね。などと話しながら、私も祖母も祖父を思い出しているうちに祖母もやっぱり置いておきたいと言い出しました。
そうだよねと頷くしかない私・・・。血は争えないですね。笑
こうしてやっぱりタンスの肥やしになってしまうんだなと、わかりながらも何も言えない私です。
そうこうしているうちに夕方になり二人で晩御飯を食べに出かけました。
食事中に、あと少しで片付くからがんばろうなどと話しているさなかに祖母が突然、やっぱり爺ちゃんの服、捨てようかなと言い出しました。
持っててもいいんじゃない?と言うと、自分でまた出せないし、じゃ持って帰ってくれ。あってもどうもしてやれないから、と言います。
実際、私はマンション住まいで、もらっても置くところもなく、もちろんサイズも合わず、デザインも古いので着ることもありません。
じゃ、少し考えてそれでも捨てようと思うならまた言ってねと伝え、その日は残りの片付けをして帰りました。
数日後にやっぱり捨てると祖母から電話がありました。
話を聞くと、あの日以来爺ちゃんを良く思い出す。しまっておくのも大事にしていることにはならないと言い、いらないから誰かにあげようと言い出しました。
せっかく祖父が遺してくれたものだから、それなら処分しようと近くのリサイクルショップへ持ち込みました。
引き取りできないといわれたものも多かったのですが、少しばかりですがお金になり、祖母も気持ちに区切りをつけられたようです。
私はというと、少し派手目なネクタイを一本、思い出にそっと持ち帰りました。
骨董という世界に身を置く私ですら、自分のことになると実際こんな現状です。
皆様のご自宅にも実際、このようなお品物はありませんか?
これまでにも古美術や骨董を取り扱う八光堂の仕事柄、数々の思い出深いお品物についての出張買取依頼や店頭買取にも立ち会い、様々な思い出やいきさつを聞かせていただきました。
お話を聞くと、気持ちを整理されている方もおられれば、そうでない方もおられます。ただどちらも一様に、次に使って下さる方が大事にしてくれたらとお話しされます。
ご自宅にある思い出のあるお品物についてご処分をお考えなら、八光堂が何かしらのお役に立てるのではないかと思います。
遺してくれたものはかけがえのないものですが、置いとくことができない、誰も使わないという場合には、ぜひご相談ください。