鶴岡義雄~魅惑の色使い~
鶴岡義雄について
12月に入り、街はもうすっかりクリスマス一色になってきましたね。
イベントやイルミネーションを見に行く方も多いのではないでしょうか?
クリスマスマーケットで海外のクリスマスを体験してみるのもいいですね!
本日は、先日私が買取させていただいた絵画についてお話させていただきます。
非常にきれいな舞妓の絵だったのですが、その作者は「鶴岡義雄」という方です。
1917年に茨城県で生まれ、義太夫の名手である父と三味線の師匠である母に育てられ、画家を志して日本美術学校に進学。林武に師事して洋画を学びました。
二科会理事長、日本美術学校名誉校長をつとめるなど、後に続く画家にも影響を与えています。2007年にお亡くなりになりましたが、日本の洋画界に多大な功績を残されました。
舞妓を描く画家は他にもたくさんいらっしゃいますが、なかでも鶴岡義雄の作品は独特で特徴的な画風ということで知られています。
作域が広く、様々な作風の作品を残している方ですが、代表作のひとつに「マドモアゼル」シリーズというパリの女性を題材にしたものがあります。そちらでも高い評価を受けたころに「舞妓」シリーズも描きはじめました。
女性を題材にした代表的なこの2つのシリーズですが、見た人間が受ける印象はまったく違うものになると思います。
「マドモアゼル」では魅惑的で、描かれているモデルが自分を主張してくるような力強さも感じます。
一方で「舞妓」は日本的な美しさを表現しながら、優しく切ない印象を受けるものもあります。
しかし、どちらにも共通しているのは、とにかく色使いが素晴らしいということです。
シャープで迷いのない、時にはいい意味で粗さも感じることのあるタッチの鶴岡作品ですが、そのなかにあって作品を際立たせているのが配色です。
構図も計算されたものですが、配色に関してはそれ以上に神経を使っていたのではないかと思わせるほどに美しく、独特の世界を表現し、見るものを作品に引き込んでいきます。
今回買取させていただいたのは人物画でしたが、この他に風景画なども数多く残していらっしゃいます。
風景画は、描かれた時期や作風などで、また違った魅力がたくさんあります。