骨董チェックポイント:掛軸の見方
掛軸の見方
すっかり寒くなりました!
皆様は博多駅のイルミネーションをご覧になったことがありますでしょうか。年々、豪華になっていますよね。今年もとてもきれいで、クリスマスマーケットでホットワインを楽しみました。
一方、八光堂博多本店がある反対側の筑紫口にもイルミネーションがあります!申し訳程度ですが・・・一度比較されてみてはいかがでしょうか(笑)
さて、今回は買取で一番多く出てくる掛軸について書いていこうと思います。
作家さんについてではなく、普段私たち鑑定士がどういうところを見て、真贋を判断しているのかというポイントをお話したいと思います。
ポイント1
まず一番初めに見るのが箱です。
これは陶磁器などでも同じで、箱の良し悪しで半分以上は真贋の区別をつけることができると思います。一口に箱と言っても種類は様々で、桐箱、もみ箱、杉箱があり、やはり一番いいのは桐箱です。さらにその桐箱がきれいに磨かれ、面取されているかどうかなど、いいものは箱の造りもこだわっています。
また、箱には様々な情報があり、作品名、作家さんのサイン・落款、為書、極めなどが書かれています。もちろん、サイン・落款が本物であるかどうかは重要な要素ですが、作品を第三者(多くの場合有名な作家さん)が本物であると認めた極めがあること、誰のために描かれたものなのかを記した為書があることもとても重要です。
ポイント2
次に中身を見ます。ここでもまずは表装から見ます。いい表装なのか、軸先の素材は何なのかなどをチェックします。
中身で見るべきポイントはどんなものに描かれているかです。紙本なのか、絹本なのか、またそれらは上質なものなのかといったところです。ここでようやく絵や書を見ます。ただ、ここまでの段階でおよそ8割は判別ができていることが多いです。
ここからが鑑定士としての技量が試されるところで、使っている絵具はその時代に合っているか、その作家さんの描き方に間違いないか、など経験が必要になります。本当によくできている贋物はここも本物に似せてきます。これを10割の確信に持っていくことが難しいところです。
ポイントとなるのはズバリ、作品の外の部分です!基本的には中身がよければ外見もいいということです。
皆様も一度お持ちの掛軸をチェックされてみてはいかがでしょうか。