中川一政の絵画を買取いたしました
中川一政について
中川一政という作家をご存知でしょうか?
花の題材を得意とする洋画家であり、陶芸、和歌、書など広い分野で作品を残した作家です。
◆人物
1893年に東京都で生まれます。
21歳で初めて筆をとり、学校にも通わず師につかず全くの独往だったそうです。
一政の家は祖父の代までは金沢で代々刀鍛冶を生業としていました。
独往でありながら芸術家として大成したのも祖父の代まで続いた手わざに生きる血が受け継がれてきたからかもしれませんね。
◆アトリエ
終戦後、一政は神奈川県真鶴町の相模湾を見下す土地を手に入れアトリエを建てます。
以降はほぼこのアトリエで作品を制作していくことになります。
一政は対象を直接目にしなければ筆をとらないと言われており、このアトリエ近くの福浦港が繰り返し題材となりました。
天候が悪く外へ赴けない日にもこのアトリエで花や静物に向かったようです。
◆一政の魅力
静物
一政には次のような詩があります。
自分は静物をかいている
いそがしいいそがしい
静物は逃げそうでならぬ
次から次へとかいてゆく
気合をかけて押さえつけておかぬと
静物は逃げそうで逃げそうでならぬ。
静物なのに逃げそうでならぬ、、、?
これは一政が物と物との関係、そこに生じる動きを求めていたと言われています。
題材として良く描かれる静物に『花』と『果物』があります。
花は花だけ描くのではなく、そこに果物を加えることにより花の出過ぎた存在感を包み込んだり、逆に際立たせたりと互いを意識した緊張感のような美しさが一政の静物にはあります。
中川一政は平成3年、97歳で死去するまで数多くの作品を残されました。
特に薔薇は生涯を通じて800枚以上描かれたとされています。
絶筆も『静物・薔薇』でした。