ベルリン王立磁器製陶所~由緒正しきドイツ王室御用達窯~
ベルリン王立磁器製陶所(KPMベルリン) について
・ヨーロッパと磁器
白く上品な輝きと質感、緻密な美しさ――――。
磁器は16世紀、中国からヨーロッパへと伝わりました。磁器を知らなかったヨーロッパの人々は、貴族達をはじめとして、その新しい美しさに心惹かれ、ヨーロッパ各国は次々と磁器生産に取り組み、華やかな磁器文化が花開きました。
今回はその中でも、多数の名だたるブランドが今日まで息づいているドイツ磁器のひとつ、「ベルリン王立磁器製陶所」についてのお話になります。
・歴史や特徴
1763年、当時のドイツ地域の王国プロイセンでは、王フリードリヒ2世が「ベルリン王立磁器製陶所」を立ち上げました。またの名を“Königliche Porzellan-Manufaktur”の各頭文字を取って、「KPMベルリン」との呼び名でも有名です。
日本では、同じくドイツの磁器生産で有名なマイセンよりかは耳にした事の無い方も多いかと思われますが、250年以上の歴史ある王立御用達のブランドで、大変水準の高い製品を多数生産されています。
王はマイセン等の高度な技術者を募る等して、食器セット・フィギュア・陶板画(プラーク)など、王室ならではの優雅で高品質な作品を次々と展開させていきました。
また、特徴といえばその緻密さで、例えば陶板画を見ると一目瞭然で、磁器のつるりとした美しい質感そのままに、非常に繊細なタッチで描かれた描写は現在見ても尚感嘆するほどです。
・製造について
KPMベルリンの製品には王家の笏がマーク(窯印)として製品に刻印されています。しかし、絵付け前の段階の素磁のものにまず笏マークが付いた為、笏マーク付きであってもその後別の所で絵付けされた品も沢山存在します。完全に絵付けまでKPMベルリンにて生産されたものには、さらに主に赤いオーブのマークも付いています。
現在、世の中には真贋含め様々な製造タイプのものが混じり出回っています。
さいごに
第二次世界大戦時に工場が一度壊れてしまったものの、戦後以降から現在もベルリンにて製造され続け、時代と共に愛され続けているKPMベルリン製品。
中でも歴史あるアンティーク品は、現在では希少で価値ある品として尚、根強い人気があります。
KPMベルリン製品をご売却検討の方は、ぜひお気軽に八光堂にご相談ください。