懐中時計の歴史と魅力~時計の起源~
懐中時計について・前編
我々現代人が毎日必ず目にするものは様々あると思いますが、中でも時計はほとんどの方が見るのではないでしょうか?
最近ではスマートフォンなどの付属機能として時間を確認できるので便利にはなりました。しかし、「時を刻む」ただそれだけの機能しかもたない物を愛用する人が減らないのは、時計そのものに人々が魅力を感じ続けているからだと思います。
今回はそんな、誰もが必ず必要な「時計」についてお話していきます。
・そもそも時計っていつできた?
はるか昔の人々は、空や気温の変化、季節の変化などから時間や暦を作っていきました。そして、より正確で簡単に時間がわかる「時計」を作り出します。始まりは紀元前3500年頃と言われており、エジプト人がオベリスクと呼ばれる方位を知るモニュメントを見て影の位置から午前、午後を、影の長さで季節がわかるようになっていたそうです。一日の中の時刻を知る日時計は紀元前2000年頃のメソポタミア文明で使われていた記録が残っていますが、実際に発見されている世界最古の日時計は紀元前1500年頃のエジプトのものです。
これもまた、影によって時刻が分かるものでした。
しかし、この方法だと夜間や曇り、雨の日は全く時刻がわかりませんよね?古代の人たちも、もちろんそれはわかっていて、水時計なるものを発明しています。時期としては同じく紀元前1500年頃という説があります。仕組みとしては、容器を水に流入、あるいは容器から水が流れるようにするなどして、その変化で時刻を知るというものでした。ただ、水も凍ったり、蒸発したりしてしまうので、砂時計も発明されました。砂時計は発明されるのにかなり時間が掛かったようで、4世紀にフランスで作られたと言われています。砂時計は現在でもお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
・機械式時計の発明
さて、私たちが時計と言われて思い描くものはいくつか種類があると思いますが、長針や短針、文字盤などがある、いわゆるアナログ時計と呼ばれるものもその一つだと思います。
機械式時計がその始まりなのですが、最初は中世のヨーロッパで教会などが時間を知らせるために自動で鐘を鳴らす機械を使っていたそうです。ここから、13世紀になると塔時計が作られていき、誰もが目で見てすぐに時間がわかるようになります。
当然のことながら、この当時の時計は大きさも重さもかなりのもので、とても個人で所有できるような物ではありませんでした。我々が普段身につけるような携帯できる時計が発明されるのは、もう少し先のことです・・・。