能面をお買取りいたしました
能面(仮面)について
寒波の影響から雪が全国的に降り積もっていますね。
都内では雪は見られませんでしたが、この寒さにはやはり堪えます。
皆さんも体調崩されませんよう、お体ご自愛ください。
さて、今回紹介します仮面ですが、骨董の世界では日本の能面が評価され、取引されるケースが多くあります。
種類は多々ありますが、やはり古い面や作家物だと相場としては高く評価されます。
古代より人類はその文化の歩みとともに仮面を製造してきました。仮面は古くからシャーマニズムのアイテムとして用いられ、神霊、精霊性を人体に憑依させるために作られたとされています。
この流れからいつしか文化的装飾が入り、日本では能などの芸能分野や縁日でのお土産に活用され、西洋ではカーニバル用のマスクが仮面舞踏会用に発展していきました。
また、スポーツでもプロレスなどのマスクがあり、特にメキシコでは髑髏がポピュラーなアイコンであるため髑髏柄のマスクがプロレスラーの間でよく付けられています。
特に、ピカソはアフリカの仮面に触発され、「アヴィニヨンの娘たち」を製作しています。
また、仮面はユング心理学でいうところの「ペルソナ」に親密にかかわっており、自身の外的側面を表すものして示される例が多く存在します。(某ハンバーガーショップのスマイル0円のあのスマイルも、言ってしまえばペルソナに該当するかも知れませんね。)
これらの流れを俯瞰してみると、人間は心理的にもう一つの自信を作成したいという望みが強いのではないかと考えられます。
これは前述した仮面舞踏会、ペルソナにも繋がり、仮面舞踏会では日常生活で自覚している「私」ではない「誰か」として楽しみ、ペルソナも自分ではない瞬間的な「もう一人の自分」を生み出しているのではないかという考えが浮かびます。
例えば、SNSに投稿される自撮りもその一例で、自身が充実している様子を公開することで他者にプラスイメージを与え、その反応を受けてさらに強い仮面/ペルソナを作りあげていく。そして、いつしか本当に仮面が自身となり、また新たに仮面を作り新しい自己を再構築していく・・・。以上のような構図が考えられます。
このように考えてみると、人間は仮面を作るより以前から、既に社会性の中で自分の中で仮面を作っており、それが表面化したものがいわゆる仮面として表れてきたのかもしれませんね。それが時には宗教に使用され、娯楽に使用されたのでしょうか・・・。
謎は深まるばかりです。