八宗兼学の絵師・谷文晁
谷文晁について
皆様こんにちは、八光堂鑑定士の酒本です。
1月も終わりに差し掛かってきましたね。
つい先日正月を迎えたと思っていたのにもう2月がすぐそこまで来ています・・・。
日が暮れるのが早いからか、1日の時間が経つのは早く感じます。
寒暖の差が激しく、風邪など引いている方もいらっしゃるかもしれません。斯く言う私も、先日風邪を引いてしまいました・・・。
ゆっくりお風呂に浸かり、生姜湯を飲んで身体を温め、大事を取りました。
皆様も寒いときは生姜湯でも飲んで、冷えた体を温めてお過ごし下さいませ。
さて今回は、谷文晁についてお話させて頂きます。
詩人の谷麓谷を父に持ち、幼少の頃から詩や画技に才能を発揮していた文晁は、12歳のころに狩野派である加藤文麗に絵を学んでいきます。その後は、四条派や琳派、円山派などを貪欲に学び、果てには、北画(または北宗画)や西洋画の遠近法や陰影を取り入れ、最終的には木村兼葭堂(けんかどう)のもと、南画の画法を学びました。
このように様々な手法を取り入れ、飽くなき美の追求の末に、八宗兼学とまで言われるほど文晁は独自の作風を確固たるものにしました。
その後は、教育にも熱心に取り組み、自身で画塾を創設、多くの門下生を抱えました。
門下生に対しては、模写や写生の重要性を説き、一人ひとりの個性を生かした教育方針だったと言われており、渡辺崋山など優れた画家を輩出しています。
また、文晁はとても旅行好きで知られており、全国各地のほとんどに足を踏み入れたと言われています。その道中にたくさんの山を写生し、作品としても山の絵が多く描かれています。
特に文晁は富士山が好きだったそうで、文晁の別号である「写山」の「山」は富士山を意味していたそうで、晩年の富士山の風景画は、富士山の雄大さがひしひしと伝わるほど見事です。
文晁の絵は、大変力強く、躍動的で、それでいて優美で繊細な表現が施されています。
また、深い緑や群青の色合いがとても美しく、作品の生命力を感じさせます。
繊細さと力強さ、そして貪欲に様々な画法を学び、作品によって全く違った表情を楽しめるのも谷文晁ならではと言えるでしょう。
さいごに
八宗兼学(はっしゅうけんがく)の意味は、仏教の8つの宗派の教えを学ぶことを指し、物事について見識を深める、ということだそうです。
私も谷文晁のように見識を深めていけたらと思います!
谷文晁の作品をご売却の際は是非八光堂までご相談ください。
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お客様がご納得して頂いた上でのお買取となりますので、ご安心してお問い合わせください。お待ちしております!