象牙の真骨頂・牙彫
牙彫について
今日は2月4日、暦の上では立春ですね。
旧暦では今日が新年となるようで、この節目から運気が変わるようです。たしかに昨日の2月3日は“節を分ける”で“節分”の日ですしね。
いろいろ発達したこの現代社会でも、先人の慣習は今なお受け継がれているんですね。
私も、古美術八光堂ともども、本年も皆さまにご満足いただけるよう日々心掛けて参りたいと思います。
さて、本日は牙彫についてお話ししたいと思います。
突然ですが、上の画像のパイナップルとバナナは何でできているかお分かりでしょうか。
なんと、こちらは象牙で作られているのです。
象牙で作られているとは思えないほどの質感、緻密な描写、色合い・・・と、フルーツの瑞々しさや香りまで感じられるほどのリアルさです。
そんな牙彫の分野で活躍した作家を紹介したいと思います。
旭玉山
旭玉山(あさひぎょくざん)は江戸末期から大正の時代に活躍していた日本の彫刻家です。
寺育ちで当初は仏門に入っていましたが、幼少期から手先が器用であったことから24歳に彫刻家へ転身します。
描写能力が優れ、中でも本物の人骨を手本に彫られた髑髏の根付や全身骨格は、海外でも高い評価を受けたそうです。噂が噂を呼び、依頼された作品作りにただただ没頭する毎日でしたが、晩年には目を患ってしまい、惜しまれつつも隠遁生活を送ったそうです。
安藤緑山
安藤緑山(あんどうろくざん)は大正から昭和初期の時代に活躍していた彫刻家です。ですが、安藤緑山にまつわる情報は生年月日はおろか出身地や人物像も不明で、さらには親交が深い作家や弟子などもおらず、その製作技法ですら一切秘密にされた謎多き作家です。
安藤緑山の作品は野菜やフルーツなど身近なものがほとんどで、そのどれもが本物と見紛うような着色が施された作品ばかりです。象牙そのものの色合いを生かした作品が主流の中、高度な着色技術を誇る安藤緑山の作品は大変珍重されたそうです。
旭玉山、安藤緑山はともに職人気質で、牙彫界では名誉欲などとは無縁の作家が多い世界だったのかも知れません。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
旭玉山の作品は国内で出回っている作品数は少なく、また安藤緑山は作品数自体が少なく大層貴重な作品ではありますが、まだどこかに彼らの作品は眠っているのかもしれません。
このような牙彫作品がございましたら、ぜひ古美術八光堂までお問い合わせください。
査定は無料で行っておりますので、気になる品がございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。