結城紬の買取をいたしました
結城紬について
一度、その着心地を味わうと手放せなくなるという結城紬。
今回は人々に長く親しまれてきた結城紬の魅力についてお話しようと思います。
結城紬は、茨城県と栃木県を中心に生産される絹織物です。
国の重要無形文化財に登録されており、検査を通ったものには重要無形文化財の証紙が貼られています。
結城紬の原型といわれる布は、奈良時代に朝廷に上納されていました。
万葉集東歌にも、その布の素晴らしさが詠われているほどで、日本最古の歴史ある絹織物です。
結城紬に使われるのは真綿を手でつむいだ糸です。これを縦糸・横糸の両方に使用しているのが特徴です。
真綿は、繭を煮て柔らかく広げたもので、空気を多く含むので温かくしなやかな素材です。
手でつむがれる糸は指先を使い、糸が切れないように慎重に作られますので、根気と高い集中力が必要とされます。
紬は、節がありゴツゴツして丈夫な織物と言われるのが一般的ですが、結城紬の糸は節のない、しなやかな糸を目指してつむがれます。
1反分の糸をつむぐためには2~3ヶ月もかかります。
そうして手間をかけて作られた手つむぎ糸を、手織りで仕上げます。地機という古代から受け継がれる伝統的な織機で慎重に、ときには1年もかけて織られます。
製作には40もの工程があり、機械で作られる紬とは違って全てが手作業です。
この工程を経て制作される本場結城紬が、絹織物の中でも最高峰といわれる由縁です。
縦糸・横糸を糊付けし補強して織られたものが平織りと呼ばれ、重要無形文化財に指定されています。
結城紬は紺色が主流で、紫や白地のものも味わいがあります。
デザインは伝統的で控えめな美しさで、模様の基本は亀甲と蚊絣です。
亀甲は亀の甲羅の形に由来する六角形で、蚊絣は蚊のように細かい十字形の模様です。
これらを組み合わせて模様は織られていきます。
着込むことで真綿のケバが取れて、絹本来の光沢が表れてくるのが魅力です。
結城紬は「結城三代」「結城百年」と呼ばれます。
手仕事で丁寧につくられた結城紬は、時間の経過とともに風合いが出てきて美しくなります。
結城紬は次の世代へと大切に受け継がれる着物なのです。
さいごに