堅山南風~生命を彩る画家~
堅山南風について
寒い日が続きますが、体調崩していませんか?
私はこの時期になると寒さ対策をしているからか、通勤電車内では逆に汗をかいてしまうほどしっかり着込んでいます。笑
皆さまに直接お会いするときに咳き込んで・・・なんて失礼ですからね。
皆さまもお体ご自愛ください。
さて、今回は日本の美しい自然や動物を繊細な筆遣いで表現した日本画家・堅山南風の歩んだ道のりを辿っていこうと思います。
1887年生まれ熊本県出身の昭和期を代表する日本画家の一人です。
1909年、南風が23歳のときに上京し、高橋広湖の下、日本画を学びます。
出世作とも言える『霜月頃』を横山大観が推奨し、文展で2等を賞受します。また、この作品は南風の地元である熊本の県立美術館に展示されています。それ以降、横山大観に師事するわけですが、南風と大観は非常に関わりの深い関係であったと言えます。
南風の代表作の一つに「横山大観先生」という作品があります。1957年に描かれた作品で大観が亡くなる前年でした。これは横山大観の横顔を描いたもので、非常に深みのある、奥行きのある「大観先生」の人間性を表現した作品のように感じられます。
現在、不忍池の近くに横山大観記念館がありますが、そこにも南風の作品が展示されています。
南風の才能を見出し、一流の日本画家として育てたのが大観とも言えます。
そんな南風は自然に触れ、五感で感じ、その中にある「生命」を描ききる写生の原点を最後まで追い求めた作家でもあります。
中でも鯉を中心とした魚や花鳥画には、その神髄が見事に表現されています。
また、彩りには一層の洗礼さを求め、彩色豊かで華やかな画風は南風芸術を特色づけるものでしょう。
そして1954年からは師と仰ぐ横山大観や、文学者の武者小路実篤の肖像画を描き始めています。
武者小路実篤の肖像画には、淡色な色合いを施しており、驚嘆すべきは厳然な描線にあります。描線を的確に描くことにより、対象を明確に成り立たせるのは、まさにそこに「在る」ように感じられる肖像画となり、南風の追い求めた「生命」を感じ取ることができる作品となっています。
さいごに
繊細、そして緻密に生命を描く堅山南風。
見る人に日本の美しさを改めて感じさせる彼の作品はいまだに根強い人気を博しています。
堅山南風の作品をお持ちの方はぜひ、八光堂へ一度お持ちになられてみてはいかがでしょうか。
皆さまからのお問い合わせ、お待ちしております。