interview:画家・竹馬紀美子さんvol.1
記念すべく第1回目は福岡県を拠点に活動する画家・竹馬紀美子さんをお迎えいたしました!
16~18歳の女の子をモチーフに描く女流画家さんで、
純粋無垢な少女の美しさを日本画のような流れる曲線美で表現されています。
一見可愛らしくも見える作品ですが、少女たちの幼さの中に垣間見える艶やかさに
思わずドキッとさせられるその作風は唯一無二のものです。
大胆な構図と色使い、細部まで綿密に造りこまれた作品に目も心も奪われ、
今回依頼させていただいたところ快くお引き受けいただけました。
そんな竹馬さんの魅力とお人柄を少しでも感じていただければと思います。
竹馬紀美子 Chikuma Kimiko
1976年10月22日生まれ
福岡市南区在住
博士(芸術)取得
九州産業大学大学院芸術研究科 博士後期課程 造形表現専攻修了
九州産業大学非常勤講師(2004、2007)
福岡女学院大学非常勤講師(2004~2007、2010)
公立大学法人 福岡女子大学 実習助手(2011~2013)
オフィシャルHP https://chikuakimi.jimdo.com/
――竹馬紀美子さんのHPを拝見させて頂きまして、私が一番印象的に感じた部分が作風の変化でした。新しいことに挑戦する姿勢はどのように培われたのですか?
竹馬:もともと子供の頃から絵は描いていたんですよ。高校・大学でも描き続けてきました。卒業後も続けてやっていく内に、周りで辞めていく方もいるんですよ。辞める方が多い中、個人的に福岡で発表を行っていました。
福岡だけでは観てくださる方も限られると言いますか・・・福岡だけで活動するだけで良いのかな?と感じていまして・・・。心機一転、中心である東京でチャレンジしたいと思いました。
それでいくつか、タグボートさん(東京都中央区日本橋に構える国内最大級の現代アート取扱店)を始め、展覧会に出品させていただきました。
そこからまた別のギャラリーの方からお声をかけていただく流れができました。東京では色んな作家さんの作品を拝見させていただく機会が非常に多かったです。
福岡に戻ってきて自身の作品を見返した時に「時代性というか、多くの方に受ける作品ではないんじゃないか。」と思うようになって・・・そこから新しい作風にチャレンジするようになりました。
――作風を変えることに不安や恐怖はありますか?
竹馬:ありました。私の作品は背景が白なんですね。意味を持たせて白にしています。
最近では背景を黒地にして、人物などのモチーフを中心に大きく描く作家さんが多い中、私は背景を削ぎとって真っ白でやり始めたんですよ。
それを始めた時は凄く不安でしたね。これで果たして皆さんどう思ってくださるのかな?とか、自分が思いを込めた部分は伝わっていくのかな?とかありましたね。
――実際に反響はありましたか?
竹馬:はい。最近では主に東京で出品を行っているのですが、非常に好評をいただきまして(笑)
その作風でやっていった方が良いとのお声もいただきました。大学などで絵画を学んだ方は真ん中にモチーフを置きたがるんですよ。
余白を作るという感覚は美術を学んだ人では少なくて、逆に面白がっていただけましたね。
――竹馬さんの作品の特徴として若い女性を描かれていますが、作品に込める思いは?
竹馬:私は学校の教員をさせていただいておりまして、その生徒をモデルに描いています。
16~18歳あたりの女の子なんですけど、その子達を見ていると新しい物だったりとか、流行を取り入れる能力が凄く高いんですよ。
新しい物ごとをどんどん受け入れる姿を見ると、(その年代の)この子達しかできないようなエネルギーを強く感じますね。
それと同時に卒業して、就職とか進学していく中で未来に対する不安も同時に持ち合わせているんですよ。
新しい物に対する好奇心と、未来に対する不安の表裏一体感が見え隠れする部分を表現できればと思っています。
女子高生をモチーフに描いている作家さんはたくさんいらっしゃるんですが、イラスト的な要素が強い気がしていまして・・・。
可愛いけれど、きちんとアートを感じる作品に仕上げたいですね。それにはやはり高い技術が無ければダメだなと思います。
それと油絵の具を使うという表現方法も自分らしい表現に繋がると思いますね。
vol.2へ続く…
次回の更新は3月30日(木)です。お楽しみに!