interview:画家・竹馬紀美子さんvol.2
記念すべく第1回目は福岡県を拠点に活動する画家・竹馬紀美子さんをお迎えいたしました!
前回のインタビュー記事はこちらから
竹馬紀美子 Chikuma Kimiko
1976年10月22日生まれ
福岡市南区在住
博士(芸術)取得
九州産業大学大学院芸術研究科 博士後期課程 造形表現専攻修了
九州産業大学非常勤講師(2004、2007)
福岡女学院大学非常勤講師(2004~2007、2010)
公立大学法人 福岡女子大学 実習助手(2011~2013)
オフィシャルHP https://chikuakimi.jimdo.com/
――学生さんの育成もされていますが、若い世代に伝えていることはありますか?
竹馬:ありきたりかもしれませんが、とにかく「デッサンをしなさい」と伝えています。
今はゲームやアニメなどの道に進みたい子が多いですね。アート系の道に進むのは食べていくのが大変ですからね。
ゲーム・アニメ会社に行きたいのであれば、フォトショップやイラストレイターだったり3Dソフトだったりが使えたら良いなくらいに考えている子が多い気がします。
“でもそうじゃないんだよ”って思います。絵が描けないとその世界では生きていけないからとにかくデッサンをして「何でも描けるようになりなさい。」と言っています。
絵が上手ければ企業からも引き抜いて貰えると聞きますね。
――学校ではどのようなことを教えていますか?
竹馬:油絵はお金がかかるので、興味がある生徒には教えています。基本的にはデッサンとデザインの基礎的なところです。
アニメや漫画が好きな子が多いので、そういう要素を取り入れたがる傾向にありますね。
でも敢えてダメと言っています。デッサン力が低いとデフォルメ(対象を変形させて表現すること)にしてもちょっと違うだろうと思います。
等身が違うとか、バランスが悪いとか、真正面からしか描けないとか・・・。
デッサン力がそこまで達していないからまだダメだよってハッキリ言ってますね。
ただ学年が上がってきて、基礎がある程度身に付いた生徒であれば許可を出していますね。
厳しいように聞こえるかもしれませんが、真正面からしか描けないとか、横からしか描けないことを容認してしまうとその子の為にならないですからね。
卒業後に運良くゲーム会社などに就職しても、出切る出来ないが多いと使って貰えないことが目に見えていますので・・・。
だったら「あなたが欲しいよ」って思って貰えるような人材になってほしいと思います。
なので結構厳しく言っています(笑)
――福岡など地方で活動するメリット/デメリットはありますか?
竹馬:今、私が勤めている学校での生徒との触れ合いというところですね。それが一番のメリットだと思っています。
東京の学校で教鞭を執ることもできるかもしれないんですが、福岡の子供達の素朴な感覚っていう部分が私は好きだなって思っています。
デメリットはやはり大きいですね。運送などの物理的な手間もありますし、その際の破損なども非常に気にかかります。
あと、東京では色んなギャラリーさんや美術館さんが展示されていますので、「それを観たいな」と思っても直ぐに行けないところもそうですね。
後輩の作家達が上京して頑張っている姿を見ると、私自身も触発されていますね。
2017年の7月には東京で個展の開催を予定しています。
やり始めた当初は知り合いもいない状況でしたので、不安もありましたが回を重ねる毎に見てくださる方も増えてきました。
コレクターさんの数も圧倒的に多いですね。色んな方がいて面白い話もたくさん聞けますので、私自身のアイデアの良い材料になりますね。
やっぱり、続けることが大事だなと感じました。
vol.3へ続く…