輪島の漆陶芸家・角偉三郎
角偉三郎について
こんにちは。
名古屋本店鑑定士の大橋です。
桜もようやくちらほらと咲いてまいりましたね。
まだ朝夜は冷え込みますが、こう桜が咲いてくると心もほんわかしてくるような気がします。
今回は漆陶芸家「角偉三郎」をご紹介いたします。
美術作家から「日々実用」に転身した異例の人物。
作家というより、職人として人生を全うした漆職人です。
“表現”から“生活”へ
角偉三郎は、1940年に石川県輪島の下地職人の息子に生まれ15歳で沈金の修行を始めました。
20代前半からは沈金の技法を生かした絵画のようなパネル作品を手がけるようになります。
そして、1964年には日展で入選し、その才能を開花させます。
1978年に日展で「鳥の門」が特選を受賞するなど、40歳までは日展作家として活躍しましたが、その後に、石川県能登町で地元に伝わる合鹿碗(ごうろうわん)に出会い「表現(展示会)」から「生活(使う道具)」へと作風を変えていきました。
漆の原点
美術作品の漆ではなく生活で繰り返し使われ「両手で掴み」「口唇にふれる」・・・これこそが漆の本来の姿だと考えたのでした。
ミャンマーの小さな村では手で漆を塗り、上塗りも密閉された部屋の中でする日本とは異なって、砂ぼこりのあがる所で悠々とやっているのを見て、自然の中に溶け込む漆の原点に感動を覚え世界の広さ美しさを感じたといいます。削った大椀の木地に漆をかけ流す、近づくだけでかぶれるという漆を、じかに手に取り、椀に塗りつける。使うたびに輝きを増す漆器は「素晴らしい」と使い手の圧倒的な支持を集めるようになりました。
晩年の偉三郎は漆をつきつめ漆と共に暮らす喜びを示し、伝統文化の大切さ美しさを多くの人達に知って使って欲しいと合鹿碗を作りました。
角偉三郎の人柄
生前はお酒が大好きで特に日本酒を好んでいたとのことです。
人が集まるたびにお酒を酌み交わし、「漆器」の話しをするのが好きだったみたいです。
角偉三郎が大好きな「日本酒」と「合鹿碗」すごく良い組み合わせだと思いませんか?
私は大好きです。
さいごに
「角偉三郎」漆作品をお持ちのお客様、ご売却をお考えの際はぜひ八光堂へ!!
箱に仕舞いっぱなしの漆器はございませんか?
お持ちになっている作品とのエピソードがありましたら、ぜひ聞かせてください。
皆様のご来店をお待ちしております。