厨子付きの仏像を買取いたしました
厨子付き仏像(厨子)について
あたたかくなってきましたね。
この陽気につられて、さっそく海に行って来てしまいました。
これからどんどん波に乗れると思うと楽しみですね!
さて今回は、八光堂大阪本店にて買取らせていただきました「厨子(ずし)」についてお話ししたいと思います。
厨子とは
皆さん一度は目にしたことのある厨子ですのでご存知かも知れませんが、「厨子とは何ぞや?」と言う方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明させていただきます。
「厨子」とは仏像や舎利(遺骨)、仏画、経典などを安置するための入れ物です。これを聞いて「あぁ~あれか!!」と思う方が多いのではないでしょうか。
古くは仏龕(ぶつがん。壁面などをくり貫いて仏像やお経を安置するための小さい部屋)から発展してきたとのことです。
世界的に有名なものですと、世界遺産のバーミヤン石窟が有名です。
現在よく目にする厨子は、中国の台所で調度品を納める棚から形や仕掛けを応用して発展したものと言われています。
厨子には色んな形がありますが、多くは正面に両開きの扉といった作りです。
ちなみに「観音開き」の言葉は、観音菩薩像を納めた厨子の多くが両開きの扉を持っていることに由来しています。
厨子の王様「玉虫厨子」
日本の国宝に指定されている「玉虫厨子」は法隆寺大宝蔵院に展示されています。
法隆寺の宝物の中でも有名な「名宝中の名宝」の1つが玉虫厨子です。
私は小学校の社会科授業を思い出します。
玉虫厨子の特徴は何と言ってもその名の由来になった「玉虫細工」です。作られた当時は非常に美しかったと思われますが、現在は経年劣化で玉虫の羽のほとんどが失われてしまったのが残念でしかたありません。
玉虫厨子は、日本最古の工芸品といわれ、飛鳥時代の作品であの推古天皇が使っていたとも伝えられております。
ちなみに2008年に平成版「玉虫厨子」(復刻版)ができました。
岐阜県飛騨高山の人達が力を合わせて復刻版として制作し、法隆寺に寄付されたのです。
実物と同じヒノキで制作されて、大きさも全く同じに作られています。
現在の技術と知識で1300年前の作品を甦らせてしまう職人さんに感服いたします。
さいごに