千家十職~お茶を支える職人たち~
千家十職について
お茶をするのに必要不可欠なお茶のお道具。
一言に“お茶道具”と言っても様々な種類のお道具があり、またそれらを手掛ける職人も数多く存在します。
そんな中でも、表千家・裏千家・武者小路千家などの代表的な流派で主に使われる道具を手掛ける職人のことを千家十職と言います。
今回は、その千家十職についてお話ししようと思います。
千家十職とは?
さて、そもそも千家十職とは何ぞや?と思われる方もいらっしゃるかと思います。
千家十職とは、簡単にいうとお茶道具を作る専門の職人たちのことをまとめた呼称です。
十職という文字からもわかるように10の家の職人たちがおり、
古くは千利休の時代から関わりを持つ職家もいます。
後継者問題によって現在空席となっている職家もありますが、今でもその伝統は続いており、千家十職が手掛けた作品は今までの技術・伝統を踏まえつつ現当代の色も垣間見えます。
時代の流れとともに緩やかに変化していく様子も併せて見てみると、また違った角度からその作品について知ることができると思うので、機会があればぜひ見比べて頂きたいものです。
千家十職の役割
千家十職の職人たちがそれぞれ手掛ける道具は技術面、美術面ともに一級品のものばかり
そんな職家が手掛けている道具についてさらっとですがご紹介いたします。
・陶工(とうこう):楽吉左衛門・・・楽茶碗
・釜師(かまし):大西清右衛門・・・釜、鉄瓶
・塗師(ぬし):中村宗哲・・・棗、香合
・指物師(さしものし):駒沢利斎・・・茶箱、棚物
・金物師(かなものし):中川浄益・・・建水、水注ぎやかん
・袋師(ふくろし):土田友湖・・・帛紗、仕服
・表具師(ひょうぐし):奥村吉兵衛・・・掛軸、風炉先屏風
・一閑張細工師(いっかんばりさいくし):飛来一閑・・・一閑張の棗
・柄杓、竹細工師(ひしゃく、たけざいくし):黒田正玄・・・柄杓、蓋置
・焼物、土風炉師(やきもの、どぶろし):永楽善五郎・・・茶碗、土風炉
それぞれの職家で手掛けている代表的なお道具を紹介させて頂きましたが、もちろん上記のお道具以外にも茶道に関わるお道具を手掛けています。
職家によってつくられたお道具はその造形の美しさや技術の高さで多くの人を魅了します。
どの代が手掛けたかによって特徴があり、また新しい試みを取り入れている作品など、見れば見るほど深いお茶の世界に引き込まれていきます。
一度話し始めたら、中々終わりが見えなくなってしまうため、今回はこのあたりで一度止めさせて頂きますが、ぜひ皆様にも千家十職のお茶の世界の奥の深さを味わって頂きたいところです。
さいごに