翡翠~何色もの輝き~
翡翠について
みなさん翡翠を手に取って見たことはありますか?
一言に“翡翠”といっても手頃に購入できるお土産品から高値がつく一級品まで、様々な種類や色があります。
今回は翡翠についてご紹介致します。
翡翠の歴史
東洋では古くから翡翠は不老不死やまじないの力があると信じられ、金よりも貴重な宝石として扱われていました。
翡翠から加工されるものは様々で、杯やブレスレッド、仮面や彫刻など多岐にわたります。
中国では玉(ぎょく)と呼ばれ、秦時代の始皇帝が亡くなったとき、翡翠の薄板を張り合わせた玉衣(ぎょくい)を身にまとって埋葬されるなど大変重要な位置付けとされていました。
ただし、中国では翡翠は軟玉しか採れなかったため、清の時代にミャンマーから硬玉が輸出されるようになると、次第に硬玉の鮮やかな色合いが人気となり、中国に広まっていきました。
特に、品質の良い翡翠に関しては、琅玕(ろうかん)と呼ばれ、権力者たちに愛されていました。
また、日本でも翡翠は勾玉(まがたま)などに多く利用されており、最古では縄文時代から始まったとされています。
以前は産地も分からず、当時日本でも翡翠が発見されなかったため、研究者たちは海を渡って持ち運ばれたものだと考えていましたが、1938年に新潟県の糸魚川で翡翠の原石が発見され、国内で産出されていたことが分かり、日本古来から翡翠文化が根付いていたことが再発見されました。
翡翠は緑色だけじゃない?
翡翠をイメージしてくださいと言われたときに、みなさんはどんな物を思い浮かべますか?
リング、バングル、勾玉・・・など形は様々かもしれませんが、色に関しては、ほとんどの方が緑色をイメージするのではないでしょうか?
しかし、実は翡翠の色は、翠色(すいしょく)と言われる緑色だけではないのです。
例えばダイヤモンドで考えていただくと、無色透明以外にもイエロー、ピンク、オレンジなど様々な色があります。それと同じで、自然によって作られる翡翠もまた様々な色があるのです。
一説では、翡翠に無い色は存在しないと言われるほどで、白、紫、黄、赤、黒・・・など豊富にあります。
さらに、それらの色が混ざり合っているものも存在するため、非常に多くの色が生まれるのです。
中でもジュエリーとしての価値が高いものは透明感が違います。まるで1滴の雫のように瑞々しく、そして煌びやかに艶めきます。こういった質の良い翡翠は、全体でもほんの一握りしか採れません。そのため良質な翡翠は高額での取引となるのです。
さいごに