象牙についてのいろいろ
象牙についてのいろいろ
6月です!
梅雨の季節ですね!
京都の名所といえば数え切れないくらいありますが、ここ京都本店からほど近い祇園は、観光では大人気のスポットです。
もう少しすると、祇園白川の川沿いに咲く紫陽花が見ごろになりそうです。
雨の日はじめじめして憂うつになりますが、雨に濡れた祇園を楽しむなんてすごくオトナじゃないですか?笑
また、哲学の道には約2kmにも続く桜並木が有名ですが、この時期は紫陽花が目を楽しませてくれます。
こちらの紫陽花は近くに住む方たちが植えられたそうで、土地を愛しているからこその地元愛が感じられるエピソードですね!
京都の有名な寺社仏閣を見物しながら哲学の道をコースに組み込むと、梅雨を満喫できること間違いなしですね!
この時期の京都観光にはぜひ紫陽花見物もご一緒にされてみてはいかがでしょうか。
さて今回は「象牙」についてお話いたします。
“象牙”と聞くと、いつも思い出すことがあります。
20年以上も前のことですが、私が新社会人として働く記念にと父が象牙の印鑑をプレゼントしてくれました。
当時象牙に詳しくもなかった私ですが、高いものだということぐらいはわかっており、普段は使用することもあまりない代物ではありますが、未だに大切に保管しています。
象牙の歴史
さて、象牙の歴史についてですが、日本では貴重なものとして輸入量も多く、その用途は主に印材であったようです。
ある調査保護団体の調べでは、1980年には日本で実際に使われた象牙のうち実に50%以上が印鑑の製造に使われたとのことです。
また日本が1970年から1989年までに輸入した象牙は、なんと5000トン!
これは約25万頭分の象に匹敵するともいわれ、1989年には世界一の輸入国にまでなっていました。なお、この期間に一説では60%の象がタンザニアから消えたといわれています。
そして1989年にワシントン条約で象牙の国際取引は禁止され、1990年に条約が発効されます。
象牙を愛した日本はこのとき世界各国から非難を受けることになりました。
象牙需要が高まる中、密漁も多くなり、また闇市場を拡大させた原因の一端として輸入国にも原因があるのではと糾弾されたのです。
象牙の登録証について
そうして現在では象牙は合法的に入手したという証明と登録が義務付けられています。
登録証は、「一般財団法人 自然環境研究センター」へ申請し、「国際希少野生動植物種登録票」を発行してもらいます。
日本国内で流通している象牙の原木(牙の形を有したもの)に関しては、登録票が必ずあります。また登録票がないと流通できません。
ただ、彫刻など製品化されているものは流通可能です。
詳細についてや不明点などありましたら、お気軽に八光堂へお問合せ下さい。
さまざまな象牙製品
象牙製品は様々な種類のものが現存し、また現在も作品は作り続けられています。
出張査定や来店査定で、象牙製品にもよく出会います。
印材はもちろんよく見かけますが、彫刻されたものや麻雀牌、茶道具、撥や杖なんかもあります。
大切にされてきたお品物も多く、丁寧な仕事を施されたお品物は高価買取となる場合も多いです。
さいごに
象の大切な命であったことも考慮して、我々古美術商としても、大切にして下さる方への橋渡し的役目も担っていると自負しております。
もう使うことのない象牙、もしくは象牙製品があれば、きっと何かしらのお力添えができます。
私同様に、もし象牙の印鑑を親御様や祖父母様等に頂かれた方がおられましたら、大事にされて下さいね!