女性最年少人間国宝~截金師・江里佐代子~
江里佐代子について
本格的に暑くなってきました。
暑さに参ってしまうこの時期ですが、季節が変わりゆくこの感じ、いいですね。
ただ、残念なことがひとつ。
海開き!ということで地元に戻って友人と海で遊ぶ予定でしたが、友人との休みが合わず、結局地元にも帰らず・・・。
楽しいはずの休日が、何もせず過ぎ去っていきました。
そんな私ですが、先日人間国宝の江里佐代子さんの香合を買取させていただきました。
このブログのトップ画像のお品です。
写真や画像では江里佐代子さんの作品を拝見していたのですが、実際に拝見すると金箔と銀箔をあしらったこの香合、見た目も丸くかわいらしい作品ながら、仕事の細やかさはさすがの一言。
海を楽しめなかった私も少しは晴れやか、このような買取続いたらなあ~・・・。
というわけで、雑談はほどほどに截金師・江里佐代子について書いていきたいと思います。
截金とは…?
タイトルにもあるように“截金”。気になりますよね?
どんなものなのか、そもそも読みさえわからないですよね。何を隠そう私もはじめは読めませんでした。笑
調べてみると「きりかね」と読むそうです。ちなみに別名もあって「細金(ほそかね)」とも呼びます。
技法の一つになるのですが、金箔や銀箔、プラチナ箔を細く切り、接着剤を使い文様を表現する技法です。
日本においては仏像や仏画の装飾品を美しくするために発達したもので、現代では伝統技法として広まっています。
女性で最年少の人間国宝
新聞にも取り上げられていましたが、当時57歳、女性最年少として2002年に人間国宝に認定されます。
旦那さんは仏師の江里康慧(えりこうけい)で、江里氏との結婚を機に截金師・北村起祥のもとで截金を学んでいったようです。
しかし、残念ながら江里佐代子は62歳という若さでこの世を去りました。
まだまだ制作途中の作品もあり、日の目を見ない作品も沢山あったことでしょう。
ただ一つ吉報と言えば、江里佐代子の技術は途絶えてはおらず、娘の左座朋子(さざともこ)が截金の技術を受け継いでいることでしょうか。
繊細で美しい作風は母の江里佐代子譲りで、これからより一層評価されていく作家と思います。
またどこかで個展や截金特集を開いてくれるのを期待したいですね。
さいごに
江里佐代子の作品含め、気になるお品物がございましたらいつでも拝見させて頂きますので、ぜひ古美術八光堂をご用命ください。
皆様からのお問い合わせお待ちしております。