お正月と言えば! おめでたいお茶道具
金銀の盃台「嶋台茶碗」
まず始めにご紹介するのは、「嶋台茶碗」です。古来から日本では、結納や結婚などのおめでたい席での飾り物を「嶋台」と呼んでいました。この飾り物は、「州浜」という州が入り組んだ浜辺を表す土台に松・竹・梅や鶴・亀を配置したジオラマのようなものです。慶事時にこの嶋台に金銀の盃を重ねて使っていたことから、金銀の盃1組は次第に「嶋台」と呼ばれるようになり、その盃を茶道の茶碗で表現したものが「嶋大茶碗です。」
この茶碗は、赤楽という技法で作られた大小2つの茶碗の内側に、それぞれ金箔と銀箔を貼り付けたものです。金の茶碗の高台は鶴を表す五角形、銀の茶碗の高台は亀を表す六角形になっています。濃茶を頂くので、回し飲みできるように大き目のつくりになっています。お茶を頂いた後は、じっくり鑑賞してみてくださいね。
正月のご祝儀で
つぎにご紹介するのは、「ぶりぶり香合」です。由来は諸説ありますが、古来日本では農耕器具を模した玩具「振振(ぶりぶり)」をお正月に祝儀として子供にプレゼントする風習がありました。その頃の玩具は八角の紡錘形で紐を付けて引っ張って遊んだようです。その玩具はしだいに魔よけとしておめでたい図柄を描いて飾り物にするようになり、茶道の表千家六代覚々斎が香合として茶道具にしたのがきっかけで、他流派にも伝わったとされています。
皆様もお正月のお茶席にお出かけされた際には、松・竹・梅や鶴・亀など華やかな装飾のぶりぶり香合を床飾りの一つとして見つけることが出来るでしょう。
さいごに