移り変わる色合いも愉しめる 金属工芸品 「銀瓶」
銀は今日、最も身近な金属の一つと言えるかもしれません。例えば、滅菌などの効果のある銀イオンを使った製品が多いこと。また、銀食器に代表されるように、人体には無害で長い期間使うことのできる利便性も兼ねています。そして何より、人々がひきつけられるのは、銀がもつ金属ならではの光沢の輝きでしょう。
きらびやかに輝く金属の光沢
銀がもつ金属ならではの光沢の輝きを最大限に生かした製品としては、銀瓶が挙げられます。銀瓶は、特にお茶道具の世界で珍重されてきました。それは、“銀瓶”という名前の通り、素材に銀という高価な金属を用いているからともいえます。高価な銀を使うからこそ、銀瓶には、金属製品の制作技術が集められているといっても過言ではありません。
そういう理由もあり、過去には高貴な人しか持てなかったであろう銀瓶。今日では、金属の加工技術、制作技術の進歩から多くの銀瓶が作られるようになっているようです。銀瓶は、多くのお品物が世に出回ることになった今でも、見た目の美しさは変わることなく、多くの方に愛される、そして、羨望される一品なのです。

銀は変化しやすい金属
銀で作られているお品物は、黒ずんでくることが多いです。いわゆる、いぶし銀という色の変化ですね。俗に、酸化と表される現象ですが、実際には鉄のサビというようなものではなく、銀の表面についた水分が大気中の物質に反応するものです。使用することによって生まれる色の変化は、銀のお品物を使う一つの楽しみ方であるといえるでしょうか。
ただ、銀瓶の査定に関しては、黒く色が変化してしまったものも買取に問題はありませんが、やはり作られた当時のように金属質の光沢があるものが好まれる傾向にあるようです。
銀瓶をお使いになる際は、使用後のお手入れをしっかり行っていただくことをおすすめいたします。
さいごに