煎茶道具の知られざる世界
煎茶のはじまり
日本で現在主流の煎茶は江戸初期には生産されるようになりました。
中国から嗜み方を禅宗ともに伝えたのが、京都宇治に黄檗山萬福寺を開いた隠元禅師(1592-1673)です。
この黄檗宗の禅僧・売茶翁(1675-1763)が、京都の大通りでお茶を振舞いながら禅の教えを講じ、煎茶の普及に貢献しました。
茶托
茶碗を載せる台のことです。茶托と言うと、木でできた円形ものを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、材質は銀、錫、銅、竹、などで作られるものもあります。形状も円形だけでなく、小判形、菱形などいろいろな形が作られています。
凝ったものでは、透かし彫りが施されていたり、象嵌細工が施されている茶托もあるんですよ。
茶入
その名の通り茶葉を入れるものです。流派によっては、茶心壺、茶壺と呼ばれたりもします。大きさや形は様々で、四角・丸・六角又は八角・壺形などがあります。
材質は錫のものが多く、陶磁器、竹、木などのものがあります。陶磁器のものでも、特殊な場合を除いて、染付、赤絵など美しいものが多いようです。
茶合(さごう)
流派によっては、仙媒、茶則、茶量とも呼ばれます。お茶の葉を量って、急須に入れるための道具です。大きさはさまざまですが、長さ12~15cmくらいのものが普通です。
材料で最も多いのは竹ですが、金属、象牙、木などで作られたものもあります。凝ったものでは、花鳥山水、漢詩などが装飾として彫られています。
さいごに