interview:画家・宮田ちひろさんvol.3
第2回目の作家さんは福岡県・糸島を拠点に活動する画家・宮田ちひろさんをお迎えいたしました!
前回のインタビュー記事はこちらから
宮田ちひろ Miyata Chihiro
1979年生まれ
福岡県糸島市在住
第14回日美絵画展佳作(初出品)
第49回福岡市美術展入選(初出品)
第60回糸島美術工芸展市長賞(初出品)
第50回福岡市美術展入選
絵本「プンプンひめ」出版(2017年)
絵本「ニコニコひめ」出版(2017年)
オフィシャルHP http://ateliercwebsite.wixsite.com/atelier-c
――――いろいろな偶然やタイミングが重なって幸先の良いスタートできましたね。
宮田:そこから糸島の景色を描き始めて、いつしか作品がたまってきたので市営の小さな美術館で展覧会をやってみたんですよ。そうしたら地元の方達がたくさん来てくださって。
来て頂いた皆さんからは「よく糸島の絵を描いてくれたねー!」って喜んでくださって。
観光雑誌に載っているような有名スポットではなくて、田んぼ道とか草むらの夕日とか、ありふれた糸島の風景を描いていたんですけど、地元の皆さんは「いつも見る風景を描いてくれてありがとう」って言っていただきました。
職場の同僚の後押しもあって、10年続けた福祉の仕事を辞めて、それからずっと糸島を描き続けています(笑)
――お仕事も辞められて絵画制作一本でやっていくのは想像以上に大変かと思います。職業を変えるきっかけとなった、その絵画制作の魅力を教えていただけますか?
宮田:展示会をやる度にどなたかが声をかけてくださって、絵を購入していただいたり、また次の展示会を開催できたりといったご縁が凄くあって・・・。
中にはロゴ描いてくださいなんてご依頼もあるんです(笑)
絵を続けさせてくれるご縁が、描き続けているとあるんだなーって感じますね。
365日同じ風景がない中で、本当に美しい瞬間はどこにでもあって、それを絵として残して共有したいなって思います。
――その一瞬一瞬を絵画にして切り取っているんですね。
宮田:実際に私の家の裏も以前は田んぼだったんですけど、今では埋め立てられてマンションが建っているんですよ。海沿いも以前とは変わってきていますね。
色んな方達が訪れてくれるのは嬉しいことなんですけど、景色って変わっていくんだなーって感じていますので、今見ている美しい景色が数十年後にもあるとは限らないので。
そんな今しか見ることが出来ない景色を絵として残したいなっていう思いがありますね。
――宮田さんは絵本のキャラクターも手掛けられていますが、どういった経緯で絵本も描きだしたのですか?
宮田:それも本当にたまたまなんですけど、糸島の粘土作家さんに出会ったんですよ。とてもカラフルな色使いに魅了されまして。
本当に素敵な作品ばかりでそこに通い詰めてました(笑)その方の暮らしや雰囲気も魅力的でして・・・。
その方が「昔から絵本作家になりたかった。」って仰っていまして、ヘンテコな物語を造っては自分の中で終わらせているって聞いたんですよ。
そこで「私は物語は造れないけど、絵だったら描きますよ。」って、「良かったら一緒に造りませんか?」って話したことがきっかけで。
――そんな経緯があったんですね。
宮田:最初は売るつもりなんかは全くなかったんですけど、せっかくなんで友達とか身内に読んでもらえるように100冊くらい造って。
そうしたら思いもよらない反響があって(笑)
――絵本の挿絵と風景画はまた違った趣ですね。
宮田:絵本を描く時は良い意味で気が抜けるというか・・・。
風景画を描く時は凄く感情が高ぶって真面目な感じになっちゃうんですけど、絵本を描く時はゆるゆるでヘンテコリンで楽しくリラックスして描けるので、自分にとっては良いバランスが保ててるなって思いますね。
vol.4へ続く…