精緻で豪華絢爛・上出喜山
九谷焼のイメージ…?
九谷焼と言えば何をイメージしますでしょうか?
磁器ではあるのですが、北陸の~~…石川県加賀市の~~…豪華な~~…などなど、いざ問われると中々イメージし難いのではないでしょうか?
それは何故かと言いますと、時代や窯によっても多様な表情を持つ磁器の産地であるからだと思われます。
赤・黄・緑・紫・紺青を使った「五彩」、加賀百万石の栄華をあらわすような「金襴手」、印象的な暗い緑を使った「青手」などのようなさまざまな色絵磁器があり、なかでも今回は「金襴手」の作家の上出喜山をピックアップしたいと思います。
三代上出喜山と更紗小紋
現在の石川県加賀市に生まれ、幼少の頃より九谷焼の技法を学び、京都で修行後、父である二代上出喜山のもとで仕事を手伝い、三代上出喜山と名乗ります。
三代喜山は、更紗と呼ばれる草花、鳥獣、幾何学文様を染色した布などを参考に、新しい「更紗小紋」と呼ばれる従来の九谷焼には見られない作品を生み出しています。これらの作品は宮内庁や外務省のお買い上げとなり、国賓に贈られる様になります。
三代喜山の更紗小紋の特徴は、形や表面の違いによって、小紋の単位毎に拡大縮小させて全面に連続させ、器全体を覆い尽くしている事で視覚的に変化をもたらしています。また、文様も小紋と幾何学を組み合わせたりしています。これらは、従来の九谷焼には見られない作品でした。
四代上出喜山 ろくろ挽きから上絵まで
四代上出喜山は、幼い頃から父・三代上出喜山のもとで陶芸を学び、「小紋様式」を受け継ぎます。そして、それをさらに精巧で緻密な変化ある作品へと発展させます。
九谷焼では作業を分業して作りあげることが一般的ですが、四代喜山はろくろ挽きの名手とも呼ばれ、ろくろ挽きから上絵まで、最初から最後までをひとりでこなし、多彩な作品を残しています。
さいごに