【大阪本店:陶器買取】藤原啓の備前花入
藤原啓の来歴
1899年に生まれた藤原啓(本名・敬二)は、言わずと知れた人間国宝(重要無形文化財保持者)ですが、幼少期から陶芸に興味を持っていた訳ではありません。
著名作家の多くは幼少の頃から周囲の影響を受けその道に進んだり、師事する方から技術やその意思を引き継いだりする事が多い中で、啓は小説や俳句に興味を持ち、文学の道を志します。
幼少期から文学の才能を評価されていた啓は、東京へ上京し、その後編集者として出版社へ就職し会社員として勤め、演劇や映画など自身が興味ある事に時間を費やす側ら、執筆活動を始めます。やがて作品が大賞を受賞し、出版物を出すまでになりました。
藤原啓の作風
藤原啓が手がける作品は、師事していた方の影響を良い意味で覆す、今までになかった作風です。
備前陶芸として始めて人間国宝に認定された金重陶陽の作風は、桃山時代に作られた繊細な作品を表現した物が多い中、それに対し啓は、桃山備前の技法を継承しつつ、素朴な中にも大胆なアイディアを取り入れた斬新な作品だと言われています。
それは陶工として志す前に、長きに亘り文学の世界に身を置く事で磨かれた感性や芸術性が取り入れられた賜物なのでしょう。
さいごに